国際的にみても低いといわれる、日本人男性の育児休暇の取得率。厚生労働省によると、2015年10月1日までに育休を取得した男性の割合はたったの2.65%だった(2013年10 月1日~14年9月30日の1年間に配偶者が出産した男性、育休取得の申請者を含む)。
まだまだ男性の育児休暇取得は難しいようだが、一方で「イクメン」として育児に積極的な人も増えている。
これでも過去最高、男性の育休取得率2.65%
そうしたなか、「イクメン」の頑張りが、妻からすると「自己満足」にしか見えず、イラ立たせるケースもまた増えているようで、最悪の場合、離婚に至るケースが少なからずあるらしい。
はたして、そんな「自己満イクメン」は増えているのか――。ツイッターをみると、あるある......
「風呂は受け取って洗って返すだけで子供のパンツの収納場所も知らないとか。今の月齢で食べられるものを知らないとか。妻が長めの外出で留守を預かったとき、子供の遊び相手になる気だけ満々で家事や食事の世話はしないとかね」
「旦那さんが赤ちゃんにゴハン食べさせたり、あやしたりしてたけど、奥さんは疲れてる感じで幸せ感なかったんだよね。旦那さんは手伝ってるつもりかもしれないけど、奥さんが望んでるのは、別の事かもしれないね」
「『この先、君が一人で赤ちゃんのお世話する練習にもなるから』とか言って、まだ外出できない私を置いてヨガに行く旦那、理解不能。産後1か月寝てなきゃならないらしいから、育休取らせたのに。お前が仕事サボって遊ぶためじゃねぇんだよ」
「今夜も隣の赤子がシャウトしてる。いい加減、この時間に風呂入れるのやめたれや。旦那が帰ってくるとシャウトバスタイムがスタート。こんなんイクメンとは言わないから。ただの自己満だから。もっと早い時間に風呂入れて早く寝かせてあげなさい」
などと、妻からは怒り心頭の声があふれていた。
その一方で、男性からは、
「結婚前は年収がどうの言われて、その次はイクメンだなんだと持ち上げられて、やったらやったで自己満ですか。好き勝手言いやがる」
と、嘆きとも受けとれる声があがっていた。
厚労省の調査によると、育児休業を取得した人の割合は、女性が81.5%(2014年度86.6%)、男性は2.65%(同2.30%)だった。女性は下がったが、男性の育休取得者の割合は、1996度の調査開始以来、過去最高だった。「自己満足」かどうかはさておき、育児に積極的な男性が増えていることは確かなようだ。
とはいえ、政府の目標とする男性の育休取得率は、2020年までに13%にすること。男性の育休はまだまだ浸透していないのもまた事実だ。
子供の身長と体重、靴のサイズがパッと出てこない
育児に積極的な男性が増えた一方で、じつは出すのは口ばかりの、「自己満イクメン」や「なんちゃってイクメン」、「勘違いイクメン」の存在が指摘されるなか、2017年6月5日付の朝日新聞は「自己満イクメン、妻は興ざめで離婚 欠けていたのは...」の見出しで、「自己満イクメン」の見分け方を紹介。ダイバーシティ&ワークライフバランスが専門の、東レ経営研究所の主任研究員、渥美由喜氏が作成したチェックリストを公開した。
「自己満イクメン」の特徴は9つで、
□(1)オムツ替えはするけど、ウンチ(特に下痢)の時はNG
□(2)子供とお風呂に入るが、脱いだ衣服の洗濯は妻任せ
□(3)子育てグッズの機能性や価格よりも、見栄えにこだわりたい
□(4)育児に費やす時間を他のパパと比べて自慢するが、妻と比べることはない
□(5)子供の身長と体重、靴のサイズがパッと出てこない
□(6)子供の病状に応じた、かかりつけの病院を知らない
□(7)子供を叱るのは妻の担当だ
□(8)自分の趣味に子供を付き合わせるが、子供のやりたいことには付き合わない
□(9)ママ友や職場の同僚からほめられた言葉をそのまま妻に話す
子供が発するサインをわかろうとしているか、妻に「嫌われ役」を押しつけていないか、妻に代わってできることはないか...... 「我こそはイクメン!」と自信がある男性ほど、一度チェックしたほうがいいかもしれない。