内閣府は2017年6月の月例経済報告で、景気の総括判断について、前月までの「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との表現から、「景気は緩やかな回復基調が続いている」に引き上げた。6月22日に発表した。
上方修正は2016年12月以来、6か月ぶり。
個人消費に持ち直しの動き
国内の景気は、海外経済の回復を追い風に、生産や輸出など企業部門が好調を維持している。今回の上方修正は、回復の動きが鈍かった個人消費の持ち直しの動きを反映した。
項目別でみると、個人消費は「総じて見れば持ち直しの動き」から「緩やかに持ち直している」に、3か月ぶりに引き上げた。
企業の設備投資は「持ち直している」に、4か月ぶりに上方修正した。輸出や生産、企業収益、企業の業況判断、雇用情勢の項目でも改善。消費者物価は「横ばいとなっている」と判断し、すべての項目で5月から引き上げた。
先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」とみている。