ソフトバンクグループの孫正義社長は、自身の後継者問題について、「生身の人間に後継者になってもらいたい」と語った。2017年6月21日に開かれた定時株主総会で、株主からの、「AI(人工知能)を後継者にすえる考えは」との質問に答えた。
孫社長は2016年の株主総会で、AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ」について、熱弁をふるった経緯がある。
「これから10年かけて解決していきたい」
株主からの質問に、孫正義社長は「人工知能の能力は上がっても、人間の集団を率いて人間に貢献する。そのためにも、生身の人間に後継者になってもらいたい」と説明した。
また別の株主の、「孫社長が倒れたらどうするのか。事業を拡大する中で非常にリスクがある」との質問に、「後継者問題は大事な点だが、原則として、われわれのグループの中で、5年、10年、ソフトバンクの経営の重要な役割を担って、十分に気心が知れて、十分に同じ方向に経営を引っ張ってくれる、能力的、人格的に優れた人物を後継者として指名しないといけないと思っている」との考えを示した。
そのうえで、「すぐにできるということではなくて、これから10年間かけて、しっかりと課題として取り組んでいき、解決していきたい」と語った。
ソフトバンクの後継者には当初、2015年6月に副社長に就任したニケシュ・アローラ氏が「候補」と目されていたが、16年6月の定時株主総会で辞任。誰が後継者に就くのか、注目されている。
なお、株主総会後に行われた取締役会で同社は、孫社長が会長職を兼務する人事を決めた。