勤務終了時間や、承認を得た残業の終了時間になるとパソコンに警告画面が表示され、仕事を終わらせないと、画面表示から10分後には強制的にシャットダウンされるシステムが大阪府寝屋川市役所で、2017年7月に導入される。
当初の2か月間は経営企画部と総務部の職員約50人を対象に、実験的に行われる。寝屋川市役所によると、こうした取り組みは大阪府で初めてとしている。
職員、帰りやすく 健康管理やプライベートの充実期待
寝屋川市役所は、9時から17時30分が定時勤務。16時30分になると、パソコンに「お知らせバルーン」と呼ばれる、勤務時間の確認や残業申請の画面が自動的に表示される。残業を申請する人は「延長」を申請する。定時で退勤する人は画面を閉じる。
残業する人は課長や次長を得て仕事を進めるが、延長した時間にきちんと仕事を終えなければならない。このとき、パソコンをシャットダウンしないと、画面に「勤務予定時間を過ぎていますので、すみやかに業務を終了して退出してください」と警告され、その10分後には強制的にシャットダウンされてしまう。
残業は、一度申請した後の再延長は認められない方向で検討している。申請しなければ、定時で退出できる。
導入の背景には、労働時間の是正がある。市役所の2017年4月の時間外労働調査によると、45時間以上残業した人は全体の24%。過労死ラインの80時間以上、残業した人は7.5%にのぼった。
導入に当たり、市役所の担当者は、「職場によっては、残業が常習化しているところもあり、定時で帰ることについて罪悪感があるところもあります。職員は帰りやすくなり、健康管理やプライベートの充実で、ワークライフバランスが充実することを期待しています」と、話している。