リストにない企業ならセーフなの?
このように、ブラック企業に関する情報が入手しやすくなったわけですが、むろん、公表されていない会社がすべてホワイトなどということはないので、自分が就職を検討している会社が「ブラックなのではないか?」と心配な場合には、面接の際に残業時間や離職率について質問したり、社内に知人がいる場合には、直に様子を尋ねてみたりするのがいいでしょう。
また、会社の評判というものは、業界内に意外なほど広まっているものなので、その会社に知人がいなくても、同じ業界に知人がいるのであれば、評判を聞いてみるのがいいと思います。
とはいえ、ブラック企業かどうかは外部からは分かりにくいものです。また、そもそも、ブラック企業という言葉に厳密な定義があるわけでもないので、たとえば高収入であれば残業が多くてもいいと思うかどうかや、体育会系のノリに馴染めるかどうかなどによって、自社をブラック企業と感じるかどうかも変わってくるでしょう。
ですから、個人的には、「とりあえず入社してみる!」という選択もありかと思います。重要なのは、「自分の会社はおかしいのではないか?」という疑念を過度に押し殺さないようにすることや、限界だと思ったときにはスパッと辞めてしまう勇気を持つことではないでしょうか。
世の中には、「今辞めるなら損害金を請求するぞ!」などと言ったりしてなかなか辞めさせない会社もあると聞きますが、そのような場合には迷わず弁護士に相談されるといいでしょう。
ポイント2点
●ホームページに掲載する事案は、労働基準関係法令違反の疑いで送検し、公表した事案(送検事案)と、都道府県の労働局長が企業の経営トップに対し指導し、その旨を公表した事案(局長指導事案)の2種類
●ホームページに掲載されている期間は、公表日から概ね1年間で、是正および改善が確認された場合には、速やかにホームページから削除されることとされている