欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で経営が悪化したタカタが、2017年6月中にも民事再生法の適用を東京地裁に申請する方向で最終調整に入った。6月16日付の日本経済新聞ほか、複数のメディアが報じている。
負債総額は1兆円を超え、製造業では戦後最大規模となる見通し。事業を継続しながら、裁判所の管理下で早期の再建を目指すとみられる。
リコール費用の請求で債務超過に陥る恐れ
報道によると、タカタ再建をめぐり、一時的にリコール費用を立て替えているホンダなどの自動車メーカーが、裁判所を介した透明性の高い手続きで債務を確定して再建を図る法的整理を主張しているという。タカタの株式は約6割を創業家が握っている。
タカタは、2017年3月期連結決算で795億円の最終赤字を計上(前期は130億円の赤字)。赤字は3年連続で、自己資本比率も7%(同27.5%)まで低下していた。自動車メーカーがリコール費用を請求すれば、負債が資産を上回る債務超過に陥る恐れもあることから、早期の再建を図るため法的整理を受け入れる判断に傾いた模様だ。