旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)で2015年に労働基準法で定められている上限を超えた労働時間があったとして、厚生労働省東京労働局は2017年6月14日、労働基準法違反容疑で同社と男性管理職2人を書類送検した。
これを受けて、HISは同日付で「労働基準法違反による書類送検について」と題した文書を発表。「顧客や株主をはじめ、関係者に多大な心配をかけたことに対して、深くお詫び申し上げます」との謝意を表明した。
労務管理上の違法状態は解消
東京労働局は2016年3月、労働基準法に定める上限を超える労働時間があったとして、HISを調査した。一部報道によると、同社と幹部の2人は2015年、40歳代の社員に最長で月109時間半、20歳代の社員に最長96時間半の残業をさせたとしている。
HISは6月14日、ホームページで、「今後は、現状維持にとどまることなく、いまだ改善の余地があると認識しておりますので、こうした事態が2度と生じないよう、抜本的対策の構築を図り、より一層の残業時間の削減を実現する所存です」と、コメントした。
現状では労務管理上の違法状態は解消しているとしている。