「会社勤めも20年になります。先日、配属されたばかりの部署で、つい小言を言ったら、『この部署は掃き溜めだから、いいんだ』と反論され、それでふと、もしかしたら自分が左遷されたのではと思うようになり、やる気が失せました。半面、その部署の生ぬるさにもイライラします。どう仕事に向かえばいいのでしょうか」
あなた、結構、勘が鋭い人なんですね。自分が左遷されたと気付くなんてなかなかです。
サラリーマンに左遷は付きもの
人事に「左遷なし」と言いますが、実際は、左遷はありますね。サラリーマンに左遷は付きものです。
しかし、それを左遷にするか、飛躍にするかはあなた次第です。
私の知り合いの新聞記者は、上司に逆らって海外に飛ばされました。
私は、彼が左遷されたと知っていましたから、慰めの送別会を開きました。しかし、彼は左遷と気付いていません。喜んで海外に赴任していきました。
そして、その地で豊富な人脈を築き、ひとまわりもふたまわりも大きくなって帰国してきました。
私は「あなたは左遷だったんだよ」と、帰国した彼に明かしましたが、彼は正直に「ええ、ほんと! 」と驚いていました。しかも、「お陰で楽しく勉強させてもらったよ」と、大喜びしていたのです。
ある大物財界人も、やはり海外に左遷されたことがありました。それも何年も塩漬けです。ところがある日、そこに会社のオーナーがやってきました。彼は、その国のいろいろな情報を忌憚なくオーナーに説明し、国中を案内しました。オーナーは、「彼は人物だ」と認識を改め、役員に抜擢しました。左遷されたお陰でオーナーと親しくするチャンスに恵まれたのです。
こんな例はいくらでもあります。
出世した人で左遷されていない人はいないんじゃないでしょうか。誰もが、左遷を生かして成功したのです。