「左遷」はチャンス! 腐らない人が出世する(江上剛)

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「会社勤めも20年になります。先日、配属されたばかりの部署で、つい小言を言ったら、『この部署は掃き溜めだから、いいんだ』と反論され、それでふと、もしかしたら自分が左遷されたのではと思うようになり、やる気が失せました。半面、その部署の生ぬるさにもイライラします。どう仕事に向かえばいいのでしょうか」

   あなた、結構、勘が鋭い人なんですね。自分が左遷されたと気付くなんてなかなかです。

  • もしかして、左遷かも……
    もしかして、左遷かも……
  • もしかして、左遷かも……

サラリーマンに左遷は付きもの

   人事に「左遷なし」と言いますが、実際は、左遷はありますね。サラリーマンに左遷は付きものです。

   しかし、それを左遷にするか、飛躍にするかはあなた次第です。

   私の知り合いの新聞記者は、上司に逆らって海外に飛ばされました。

   私は、彼が左遷されたと知っていましたから、慰めの送別会を開きました。しかし、彼は左遷と気付いていません。喜んで海外に赴任していきました。

   そして、その地で豊富な人脈を築き、ひとまわりもふたまわりも大きくなって帰国してきました。

   私は「あなたは左遷だったんだよ」と、帰国した彼に明かしましたが、彼は正直に「ええ、ほんと! 」と驚いていました。しかも、「お陰で楽しく勉強させてもらったよ」と、大喜びしていたのです。

   ある大物財界人も、やはり海外に左遷されたことがありました。それも何年も塩漬けです。ところがある日、そこに会社のオーナーがやってきました。彼は、その国のいろいろな情報を忌憚なくオーナーに説明し、国中を案内しました。オーナーは、「彼は人物だ」と認識を改め、役員に抜擢しました。左遷されたお陰でオーナーと親しくするチャンスに恵まれたのです。

   こんな例はいくらでもあります。

   出世した人で左遷されていない人はいないんじゃないでしょうか。誰もが、左遷を生かして成功したのです。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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