できる人はやっている! 覚えるのは「中学英語」だけでいい(15)

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ビジネス英語は「相手に正しく伝わってなんぼ」

   マネックス証券の松本大会長は、「私が使っている英単語や文法は中学1~2年生レベルのものばかり」で、「中学生レベルの英語でも世界で仕事ができる」とインタビューで語っています。また、ソフトバンクの孫正義社長は、「『中学英語』で、堂々と世界のトップと交渉する」と、元側近が披露しています。

   最近話題の本「会話もメールも 英語は3語で伝わります」の著者・中山裕木子氏(特許翻訳者/技術英語講師)は、「中学レベルの単語を使ったやさしい英語ほど相手に伝わる」と、強調しています。

   ビジネスの英語は「シンプル イズ ベスト」。相手に正しく伝わってなんぼ、の世界ですから、簡単でわかりやすいことが最優先です。難しい言いまわしよりも、むしろ中学生レベルのシンプルな英語のほうが重宝されます。「英語のプロ」ほど、「中学英語」にこだわるゆえんです。

   私は、文法もさることながら、単語は特に「簡単さ」にこだわるべきだと思っています。英語はビジネスの共通語ですが、必ずしも相手がネイティブだとは限りません。今や、中国やインド、アフリカ、英国以外のヨーロッパ諸国出身のノンネイティブが世界のビジネスを動かしています。

   グローバルな時代ですから、米国や英国の企業の幹部がノンネイティブなこともざら。ノンネイティブにも正しく伝わる「簡単な単語を使ったわかりやすい英語」がビジネス界の潮流なのです。

   国連に勤務する人たちの英語は、「わかりやすい英語」の手本といわれています。

   世界中の人たち(ほとんどがノンネイティブ)が理解できるように、簡単な単語と単純な構文でわかりやすい英語を話す(書く)ことを徹底しているからです。

   「英語ができない」と嘆いている人ほど、難しい単語や言い回しを必死になって暗記していませんか? 分厚い単語集はとっとと断捨離して、「中学生レベルの単語」で表現力を磨くことが「英語ができる人」になる近道です。

   次回から、「中学生レベルの英語」の具体的な使い方について紹介していきます。

   お楽しみに!

今週のニュースな英語 ~ トランプ米大統領 パリ協定から「withdraw」 ~

   何かとお騒がせな米国のトランプ大統領が、今度はパリ協定からの脱退を表明して、またしても世界中を震撼させました。

   日本のニュースでは「脱退」と訳されていますが、トランプ大統領はスピーチで「withdraw from the Paris accord」(パリ協定から撤退する)と、「withdraw」という単語を使いました。「引き揚げる」といったニュアンスが漂います。

   それにしても、「withdraw」はいろんな場面で使われる汎用性の高い単語です。 銀行口座から預金を「おろす」、カーテンを「引く」という意味もあれば、訴訟を「取り下げる」、視線を「そらす」という意味もあります。軍隊が撤退する時も「withdraw」です。

   何となく、後ろ向きなイメージを抱いてしまうのは、私だけでしょうか?

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。TOEIC(R)L&Rテストの最新スコア970点。これまで英検、TOEIC、TOEFL、IELTSをすべて受験し、GMATにも挑戦。30年近く仕事をしながら英語を学び、海外駐在員として滞在したロンドンでは、イギリス式の英語学習法も体験した。「いくつになっても英語は上達できる」をモットーに、40代での英語やり直しを提唱している。現役ビジネスパーソンならではの実践的なアドバイスが「役に立つ」と人気。
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