運より努力! 「社内営業」がチャンスを広げる(高城幸司)

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   「社内営業」という言葉に、いいイメージを持つ人はあまりいないかもしれません。でも、仕事をするうえで重要な活動であると筆者は考えます。

   それは、社内営業は自分に成長の機会を与えてくれる可能性が高いからです。

先手必勝! 20代からの社内営業

   そもそも、ビジネスパーソンの成長を促すものは、社内研修などの教育よりも現場における経験と言われています。とくにビジネスリーダーや管理職などの役割は、経験でしか身につかないとさえ言われています。

   そうだとすれば、より意味のある経験を、より早く、より多く積むことが、成長スピードを加速させる圧倒的要因になります。そうした役割を任されるチャンス、貴重なプロジェクトに参加できるチャンスは、どのようにして得ることができるのでしょうか?

   運がよければあなたのもとに、自然に転がり込んでくると考える人もいるかもしれません。でも、運よりも努力でチャンスを増やしたいもの。そのチャンスを広げるための活動が「社内営業」なのです。

   社内営業によって、自分を売り込んでいくことで可能性は確実にあがります。しかも、できれば20代から社内営業を行っておきたいもの。なぜなら、20代から社内営業をしている人は少ないから。競争相手があまりいないからです。

   入社して間もない、20代の時期は社内営業なんてしなくても、ガムシャラに仕事をすれば、成果は平等についてくるものと思いがち。その仕事スタイルで、その先もいける...... そう勘違いしてしまうのです。

強力な味方を増やす「福利効果」

   個人プレーで、機会均等に仕事が行われる時代はそれでいいのかもしれません。ところが、そのスタイルで仕事が通用するのは、最初の数年に過ぎません。その後はチームで仕事をすることになります。

   たとえば、若手の営業職時代は一律で売り上げ規模の少ない取引先、ないしは新規営業を担当します。ところが経験を積むと、

・ 仕事ぶりで担当を割り振られる
・ 社内の関係者との調整業務が増える

ことになります。

   そこで「いい取引先」を担当するための自己アピール。担当している取引先の仕事をスムーズにこなすため、上司や管理部門に協力を得る必要が出てきます。この活動こそ社内営業なのです。

   ちなみに、筆者が所属した職場では社内営業が必要と感じたのは入社4年くらいでした。そこから先は、働き方がまったく変わり、社内の人と「関わる」「つながる」「働きかける」「巻き込む」「連携する」などという言葉の入った仕事ぶりを、常に求められるようになります。

   入社4年目になると、リーダー的な役割が少なからず任されるようになります。ただ、任される仕事は人によってまちまち。筆者は後輩社員10名と営業チームを組んで大きな仕事に取り組めるまでになりましたが「自分は大人数のチームを率いて成果をあげたい。その自信はある」と社内で自己アピールをすることで、機会を得ることができました。

   仮に黙って、与えられた仕事をこなすだけであれば、与えられる機会は違っていた気がします。

   自分一人のことだけを考えて仕事ができる期間はわずかです。20代から社内営業を始めることは悪いことではありません。むしろ、仕事で成果をあげるためには、効果的なのではないでしょうか?

   もう一つ、社内営業には「複利効果」が期待できます。早めに社内で味方を増やしておくと、よい仕事、よいポジションが若いときから手に入れられる。そのことがまた新しいチャンスを生み、より強力な味方を増やしていくことにもつながります。

   みなさんも試してみてください。

(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
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社内営業の教科書高城 幸司

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