ファミリーレストランなどで店内を「全席禁煙」にすると、売り上げが増加することが、産業医科大学・産業生態科学研究所の大和浩教授の調査でわかった。
全席禁煙の店舗では、全席禁煙に切り替えてからの売り上げが、調査開始の2007年1月を基準に、14~25か月後に3.4%増加。一方、分煙化した店舗では0.8%増加にとどまった。
喫煙席、コーヒーで粘るサラリーマン多く
全席禁煙の店舗で売り上げが伸びたことについて、産業医科大学の大和浩教授は2017年6月5日のJ‐CASTニュースの取材に、「今回の調査で、全席禁煙と分煙化で売り上げの増加に違いが生じた理由として考えられるのは、単価の違いだ」と話した。
全席禁煙の店舗では、ランチなどの食事に訪れるお客や家族連れが多い。週末になると、家族連れが多く来店するため、お客1人あたりの単価が上がる。一方、喫煙席ではサラリーマンがコーヒーを飲みながら打ち合わせを行うことが多い。食べ物を注文せず、飲み物だけで居座りがちになるので、単価は下がる。
このため、全席禁煙化した店舗のほうが、家族連れが多く来店するようになり、単価が上がる傾向があるという。
なお調査は、2007年1月から2014年10月にわたり実施。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」の全国の207店舗で実施した。