「なぜ、女性は働くのですか?」――。こう、正面を切って訊ねられて、即答できる人はいるのだろうか。
よく、素朴な質問ほど答えに窮するものといわれるが、Q&Aサイト「教えてgoo!」(2017年5月18日付)には、男性から、そんな率直な質問が書き込まれた。
働く理由「お金のためだけではない」
その男性は「僕の考えがおかしいですか?」と前置きしつつ、「僕は仕事がイヤでイヤで仕方がない。女性なら平均年収取得者と結婚すれば専業主婦になって働かなくても生きていける。それなのに、なぜ女性は働くのですか?」と投稿した。
率直な質問だが、同じことが頭を過ったことのある、世の男性たちは少なくないのではないか。
この質問に対して、
「お金が欲しい、あるいはもっと必要。単純に、働きたい。人によって、さまざまな理由があるでしょう」
「1.必ず結婚できる保証はない。2.結婚できたとしても離婚しない保証はない。3.夫婦円満だとしても夫が急逝することもある。4.夫婦円満、健康だとしても生活水準は高いほうが楽しい。理由はいろいろ考えられます」
といった回答が寄せられた。
これだけ見ると、「結局、結婚への不安が原因なのか」と思うかもしれないが、実際に結婚して働いている女性からは、
「私は、子育てもしたい。仕事もしたい。なので、仕事は正社員で続けています。仕事をしないと、社会との繋がりがなくなっていく気がする。今の仕事が天職だと思っているし、やりがいもある。お金のためだけに働いているって人ばかりではないと思います」
「養われることに慣れたら、ひとりでは生きていけなくなります。ひとりで生きていけなかったら、旦那に不義理をされても、また暴力を振るわれても、離婚したいと言えなくなるのですよ」
といった声が漏れる。
専業主婦も「バリキャリ」も働いている
さらには、
「たとえば平均収入取得者の男性と結婚したいとしたら、平均より上が半分、残りの半分は平均より下です。そしていろいろな面で平均より上の男性は、女性を選ぶ立場にあります。もし、質問者様が女性だったら、働かずに待っていても、平均より上の男性に選ばれ、しかも生涯大切にしてもらえる自信がありますか?」
といった、なんとも切実な事情が明かされた。
また、この質問を寄せた男性に対しては、
「男なら一生仕事していくんだから、まわりを気にする前に自分のことを考えては」
「質問者さんも仕事が嫌なら婚活して専業主夫って道もありますよ。ただし、それを受け入れる女性を見つけるのと、奥さんが妊娠した場合は無職夫婦になってしまいます。だから今、頑張ってお仕事して沢山貯金してくださいね!」
との、応援とも皮肉とも受け取れる声もあった。
数々の回答から、男性がベストアンサーに選んだのは、
「私の周りを見ても今の世の中、専業主婦はほとんどいませんね。それだけ生活が大変なのではないでしょうか。仕事がイヤといいますが、専業主婦も家事という仕事がありますよ。専業主婦がみんな遊んでるわけではないですよ」
との答え。専業主婦でも、バリバリのキャリアウーマンでも、女性が日々働いていることに変わりはない。男性は、よく働く女性に、もうちょっと感謝したほうがよいのかもしれない。