2017年4月の住宅着工件数は、前年同月比1.9%増の8万3979万戸で、2か月連続の増加となった。国土交通省が5月31日に発表した。
なかでも、貸家と一戸建ての分譲住宅の増加が目立ち、いずれも18か月連続の増加となった。
貸家の伸び率、1年1か月ぶりの低い水準
4月の住宅着工件数のうち、持ち家は前年同月と比べて0.8%増の2万3751戸。分譲住宅は2.9%増の2万3708戸で、そのうちマンションは1.3%増と3か月ぶりの増加、一戸建て住宅は5.2%増えた。 貸
家は1.9%増の3万6194戸だった。ただ、伸び率は1年1か月ぶりの低い水準にとどまり、勢いが鈍っている。
J‐CASTニュースが2017年6月1日に国土交通省に取材したところ、「低金利局面と相続税対策を背景に、貸家と一戸建て住宅が全体を引っ張っている」と話している。
日本銀行が2016年2月に導入したマイナス金利の影響で、低金利でお金が借りやすくなり、住宅を購入する人が増えてきている。
国交省によると、一戸建て住宅については、「地域の中小ビルダーが地元の強みを発揮して土地の仕入れが順調に進んでいる」ことも背景にあるという。
また、2015年1月からの相続税の課税強化に伴い、現金を不動産に換えることで相続税を抑えようと、アパート経営(貸家)に乗り出す人が増えていた。
その一方、アパートの供給過剰が問題視され、銀行などの融資姿勢が厳しくなりつつある。貸家の伸びが鈍ってきたのは、その影響があるのかもしれない。