首都圏の交通渋滞による経済損失が、約84万人の労働力に匹敵することがわかった。国土交通省が2017年5月26日に発表した「首都圏白書 2017年版」によると、全国の渋滞で失う「渋滞損失時間」は約280万人に匹敵。そのうち首都圏だけで3割分を占めている。
東名・横浜町田~海老名JCT、上下線で激混み
渋滞に費やされる時間について、首都圏白書は物流産業、ひいては日本経済にとって、「大きな損失の原因」と指摘。「道路移動時間の約4割は渋滞に費やされている状況」としている。
高速道路(IC区間別)の渋滞ワーストランキング(2015年)をみると、東名高速道路の海老名ジャンクション(JCT)~横浜町田(上下線)や東名川崎~東京(上り)、中央自動車道の調布~高井戸(上り)など、首都圏の高速道路の渋滞がひどい。
国交省は、「渋滞損失時間が最も集中している首都圏では、労働力の確保の観点から渋滞を解消し、社会全体の生産性の向上を目指すことが不可欠である」と強調。渋滞解消のため、圏央道や外環道などの整備を進めていくとしている。
なお、首都圏白書は首都圏整備法に基づき、1都3県と北関東3県、山梨県の現状をまとめた。