先日、打ち合わせ中に米国人クライアントの一人が、「そうだ、CNNニュースをチェックしなきゃ」と、あわててスマートフォンを取り出しました。
そして、トランプ大統領をめぐる最新ニュースに、その場にいた全員がクギづけ! 今、ビジネスの世界では、「トランプネタ」が話題の中心だと思い知った瞬間でした。
「トランプ」ウォッチはCNNツイッターがオススメ!
今、海外メディア、とりわけ米国メディアが世界中の注目を集めています。トランプ政権の対ロ関係やFBI長官の電撃解任劇など、まさにハリウッド映画さながらのドラマが目の前で展開されています。
悪代官風のスティーブン・バノン氏、いかにもおぼっちゃま然とした娘婿のクシュナー氏、2メートルを超える長身のコミー前FBI長官など、個性的な「役者」が次から次へと登場するのは、さすが米国です。スケールが違います。
トランプ大統領のツイッターは、相変わらず爆弾発言のオンパレードで、株式市場も一喜一憂の乱高下。まさに、「世界の中心でトランプ大統領が叫ぶ!」といった状況です。
「トランプネタ」が世界を席巻している今こそ、海外メディアデビューのベストタイミング! 生きた英語に触れる習慣をつくりましょう。
海外メディア初心者には、CNNツイッターをオススメします。
じつは私は英国メディア派で、BBCウォッチャーですが、今なら文句なく米国メディアを推薦します。米国のニュースがホットすぎて、おもしろすぎて、目が離せないからです。
米国メディアではニューヨークタイムズが有名ですが、CNNに比べると英語が難しくて初心者には敷居が高いかもしれません。
CNNのツイッターは画像が中心で、英文がわからなくても臨場感を味わえます。もちろん動画も抱負。気になった話題は、詳しい記事やニュース動画にワンクリックでアクセスできます。
CNNツイッターのフォロワーは、約3500万人! CNN速報ニュース(Breaking News)のアカウントも別にあり、合計で約8500万人のフォロワーを抱える巨大メディアです。トランプ大統領のツイッター(フォロワー数3000万人)よりフォロワーが多いのは驚きです。世界中の人がCNNツイッターをフォローしていることがわかります。
海外メディアの難易度、雑誌が一番難しい
海外メディアの難易度は、雑誌が一番難しくて、次に新聞、一番わかりやすいのがテレビ局のウェブサイトです。私は、BBCのウェブサイトを毎日チェックしていますが、テレビ局のウェブサイトは比較的やさしい英語で書かれているのでオススメです。
日本では、週刊誌や雑誌のほうが新聞よりやさしいイメージがありますが、エコノミストやニューズウイークなどの海外雑誌は専門用語が多くて上級者向けです。
カラフルな表紙やキャッチ―なタイトルにひかれて安易に飛びつかないほうがいいでしょう。
私は、ビジネスマンが英語を学ぶゴールの一つは「海外メディアの情報を読める(聴ける)ようになること」だと思っています。
ビジネスの場面で役に立つのは、相手との共通の話題です。今なら「トランプネタ」に勝るものはありません。相手が外国人であれ、日本人であれ、ビジネス界の最強でテッパンのネタです。
特に、仕事で英語を使っていない人、ふだんは英語を話す機会がない人こそ、海外メディアはオススメなのです。英語で得た知識を、日本語でアウトプットするのです。
取引先との雑談やミーティングの場で、「そういえば、トランプ大統領が○○とツイートしましたね」「CNNが新しいリーク情報を流していましたよ」など、仕入れた「ネタ」を積極的に披露しましょう。知ったかぶりは禁物ですが、「みんなが知らない最新ネタ」は予想以上に重宝されるはずです。
「英語でインプット、日本語でアウトプット」でぐんぐん上達!
英語はインプットだけでは上達しませんし、モチベーションが続きません。アウトプットの場を意識的につくることが大切です。
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を利用している人は、ブログやツイッターでネタを披露してもいいでしょう。この、英語でインプット、日本語でアウトプットの習慣を続けると、驚くほどに英語を読む力(聴く力)が上達します。
私もこの連載のネタを探して海外メディアをウォッチするうちに、以前よりも英語を読むスピードが上がりました。
ちなみに、CNNツイッターのチェックは、朝起きて一番の習慣にするといいでしょう。 日本のメディアよりもいちはやく旬な話題を披露することで、優越感を抱くことができますよ(笑)。(井津川倫子)
今週のニュースな英語 ~ 世界中が検索した急上昇ワードって? ~
コミー元FBI長官の解任劇が引き金となって、トランプ大統領をめぐる潮目が変わってきたと報じられています。このところ、メディアをにぎわせているワードが「impeachment」(弾劾)です。
トランプ大統領のマル秘発言を記したメモの存在が明らかになった直後は、グーグルトレンドで、一気に上位に躍り出たそうです。世界中の人々が「impeachment」を検索したのですね。
実際は、トランプ大統領の「弾劾」には相当な年月と手続きが必要で、長い道のりになるそうです。現時点では、「彼の行動はimproper(不適切)だが、illegal(違法)だと証明することは難しい」との見方が主流です。
ちなみに、過去に弾劾訴追された米大統領は、アンドリュー・ジョンソン氏とビル・クリントン氏の2人だけです(いずれも、罷免は回避)。ふだんは聞き慣れないワードですが、今年前半の流行語大賞は間違いなし、でしょうか。やっぱり、トランプ大統領からは目が離せません。