夏は白い開襟シャツがいい
同じ開襟シャツでも、僕なりにいろいろと工夫してみた。たとえば、ちょっと派手な貝製のぼたんをそこかしこに付けてみた。そうすると、ややもっともらしくはなる。でも、存在感はスーツやネクタイにはかなわない。
そんな軽装の「先駆者」を自負する僕にとっては、ジャケット、スーツやネクタイの復権傾向は残念なことである。なんとかして、この傾向に歯止めをかけたい。
しかし、さっきのような僕の態度では、なかなかに難しい。開襟シャツを着ていることで、気弱になっている。
まず、強い気持ちが要る。「スーツにネクタイがいくらのもんだ? 開襟シャツのどこが悪いんだ? 」――。そんな開き直りが必要である。
しかも、開襟シャツはスーツにネクタイ一式をそろえるのに比べ、ずっと安くつく。ろくな給料をもらっていない若者が、ビジネスの場で開襟シャツを着てどこが悪いのか。何よりも「自分は間違ったことはしていない」との信念が欲しい。
この夏、僕に続いてくれる人がいることを期待している。(岩城元)