電子地域通貨「さるぼぼコイン」実用化へ 飛騨信組とアイリッジが実証実験

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   岐阜県高山市に本店を置く飛騨信用組合と、スマートフォンを活用した企業のOnline to Offlineを支援するアイリッジ(東京都)は、スマートフォンアプリを活用した電子地域通貨のプラットフォーム「さるぼぼコイン」(仮称)の実証実験を、2017年5月15日に開始した。

   飛騨信組の約200人の全職員が、地元のイータウン飛騨高山、でこなる横丁(高山市)、やんちゃ屋台村(飛騨市)の飲食店街で食事や持ち帰りの支払いに、「さるぼぼコイン」を使って決済する。飛騨信組は「2017年10月末までに、預金者や観光客などにも利用できるようにしたい」と、意気込んでいる。

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窓口で現金をコインに換金

   「フィンテック」のかけ声とともに、ブロックチェーンの活用に向けた決済技術の検証が活発だ。飛騨信組は全国の信用組合で、また岐阜県下の金融機関で初めて、この技術を活用した、実店舗での実証実験に臨んでいる。

   実証実験の期間は3か月。この間に課題を洗い出し、今秋には実用化に踏み切りたいという。実現すれば、全国で初めてのケースとなる。

   実証実験では、職員が「さるぼぼコイン」の専用アプリを導入。たとえば、3万円をチャージしたい場合、まずはスマホから「チャージ」ボタンを押して専用のQRコードを呼び出して、3万円を申請する

   一方、現金3万円を、飛騨信組の窓口で渡す。本部が受領の確認後、3万円の入金を「承認」すると、職員のスマホに残高が表示されて利用できるようになる

   買い物時は、アプリを起動して「支払う」のボタンを押す。自身で設定した「PINコード」(暗証番号)を入力して、お店のレジにあるQRコードを読み込み、支払金額を入力。支払先と支払コイン(金額)をお店の店員に見せて金額に間違いないかを確認。間違いがなければ「確定」ボタンを押して、支払いを完了させる。

プレミアム価格やポイントサービスの特典も検討

   実用化後の現金チャージは、飛騨信組の17か店(主張所を含む)の窓口にチャージ用のQRコードを用意。また、「さるぼぼコイン」が利用できる店舗を、取引先を中心に拡大していく考え。

   飛騨信組経営企画部は、「実験では、飲食店での食事やお持ち帰りでしか利用できませんが、実用化段階では物販でも利用できるようにしたい。また、商品が数%のプレミアム価格で買えるようにすることやポイントサービスといった特典も考えています」と話す。

   飛騨信組によると、飛騨高山などへの観光客数は年間450万人(2016年)にのぼり、外国人観光客をはじめ、年々増加している。「観光客にも滞在中、手軽に利用できるようにしたい」と話す。

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