「よい上司」は部下に責任を負わす 素直な「はい」のウラの顔を見よ

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   昔から「失敗は成功の素」と言いますが、失敗をした人が必ずしも皆成功しているわけではない、というのもまた事実です。

   では、失敗を活かして成功につなげる人と、失敗だけして終わってしまう人の違いはどこにあるのか。その回答について、元ハーバード・ビジネススクール研究員H氏のビジネスセミナーで、なるほどと膝を叩く気づきがありました。

  • 「わたし、失敗しません」???
    「わたし、失敗しません」???
  • 「わたし、失敗しません」???

「失敗が人を育てる」の真意のありか

   H氏曰く、「失敗を自分の糧として活かせるか否かは、それをどう受け止めるか次第。すなわち、失敗も成功と同じく自分のものとして受け取れるか否かにかかっているのです」 なんとも哲学的な言い方に聞こえますが、氏のこの話の続きをより噛み砕いた言い方で簡潔に申し上げましょう。

   人は自身の成功に関しては、自分の成果として喜び噛みしめ自信に変え、次なる新たな飛躍に向けた糧にするのが常であると。しかし、失敗に関してはなるべくなら自分のものとは認めたくないものなのだと。認めたくないものを、いかに「自責」として認めるか、そこに成功への大きなカギがある、と言うのです。

   H氏の話によれば、「与えられら課題での失敗を自分の責任」と受け止めた人は、次の課題で成功する確率がそうでない人の3倍にも上がったという、ハーバード時代の実験レポートもあるそうです。

   同じ失敗をしてもその失敗を「自責」で捉えられるかどうかが、次の成功に大きな影響をもたらすというのは実に興味深い結果です。

   失敗経験そのものが人を育てるのではなく、失敗を自分の責任として受け止め再発防止策を考え講じることで、人は成長していく。この論理は経営者の成否にとどまらず、身近な問題に置き換えれば、社員の人材育成においても同じことが言えるのではないかと感じました。

   よく耳にする「失敗が人を育てる」の真意もそこにあるのでは、と思ったのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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