ノーネクタイの君! 「TPO」って、知ってます?

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「考えて働く社員」になるために「考えて」

   研修の際、担当者からスーツで参加するよう指示されることは多々あります。企業としては、襟を正してしっかりと受講してほしいという気持ちと講師である私に敬意を払い、そう指示してくださっていると理解しています。

   ですから、暑い日の研修では私から「暑いし疲れると効率が悪くなるので上着は脱いでいいですよ」と、声をかけています。

   さて、先述の彼はどうすべきだったでしょう? それはネクタイを外す前に一言、私に「ネクタイを外してもいいですか? 」と、質問すべきだったのです。

   そうすれば私は事情を聞き、ほかの受講者の様子や研修内容を踏まえて許可するのです。いくら社内ルールがあるといえども、状況に応じた言動、行動をしないといけません。

   彼とのこのやり取りで一瞬、会場内に緊張感が走りました。この後の彼の言動次第では、どんよりした研修になったでしょう。しかし、彼は言われたことを理解し、その後は熱心に、時に彼らしいユーモアな回答で受講してくれました。

   「考えて働く社員」とは、言われたことだけを杓子定規に行動するのではなく、周囲の状況をよく見ながら、臨機応変にどのような言動をすればよいか判断しながら働く社員です。これからの彼の成長が楽しみです。(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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