企業のビジネスに人工知能(AI)の技術が導入されている割合で、日本が米国やドイツを下回っている。
AIの利用環境が整っておらず、現状、導入後のコストがかさんでいるようだ。
日本で「導入済み」はわずか1.8%
リサーチ会社のMM総研が2017年4月25日に発表した「機能特化型の人工知能技術のビジネス活用」によると、日本、米国、ドイツの3か国の企業が、ビジネスにどれほど人工知能の技術を導入しているかを調査したこところ、日本は人工知能(AI)の技術を「導入済み」の企業は1.8%、「導入検討中」が17.9%だった。
米国では「導入済み」が13.3%、「導入検討中」は32.9%。ドイツはそれぞれ4.9%、22.4%だった。
米国がAIのビジネスへの活用を盛んに進めている一方で、日本は大きく遅れをとっていることがわかった。
また、日本の市場規模は2016年度に2220億円だったが、21年度には5610億円に成長する見込み。米国市場は3兆9340億円から7兆8360円に、ドイツの市場は3260億円から5330億円へと拡大するとみている。年間成長率で比べると、日本は20.4%で、米国の14.9%、ドイツの10.3%を上回っている。
MM総研は導入後の課題についても調査。コスト、利用環境、データの所有権、人工知能への過度な期待に、分けて調べたところ、日本で最も多かったのは「人工知能を利活用する環境が整っていない」で31.3%だった。一方、米国とドイツでは20%前後にとどまっており、日本で人工知能を利用する環境の整備が遅れていることが表面化したといえる。