就職戦線は6月の選考解禁を控えて、多くの就活生たちの忙しさは日に日に増しているだろう。
そうしたなか、2017年も就職活動中の大学3年生と大学院1年生が選んだ「就職先人気企業ランキング 2017」が就職情報会社のダイヤモンド・ヒューマンリソースから発表された。
文系・理系を問わず、男子はトップ4を独占
「就職先人企業ランキング2017」(有効回答5771人、2017年2月7日~4月9日調査)によると、男女ともに総合商社が根強い人気だった。
ランキングを男女別、文系・理系別に見てみよう。
文系・男子
1位 三菱商事
2位 三井物産
3位 伊藤忠商事
4位 住友商事
と、見事なまでに上位を総合商社が占めた。
5位に東京海上日動火災保険、6位が丸紅、7位は三菱東京UFJ銀行、8位が豊田通商、9位はみずほフィナンシャルグループ、10位に三菱UFJ信託銀行と続いている。トップ10に、総合商社は6社。残り4社は金融機関だった。
理系・男子
1位 三井物産
2位 三菱商事
3位 伊藤忠商事
4位 住友商事
と、やはり総合商社が上位を占めた。
以下、東京海上日動火災保険、丸紅、サントリーグループ、森ビル、東海旅客鉄道(JR東海)、三菱東京UFJ銀行と続いた。
文系・女子
1位 東京海上日動火災保険
2位 三井物産
3位 伊藤忠商事
4位 三菱商事
と、総合商社の名前が。
5位が三菱東京UFJ銀行、6位に住友商事、7位はみずほフィナンシャルグループ、8位が日本航空(JAL)、9位に全日本空輸(ANA)、10位には大和証券グループが入った。
理系・女子
1位 東京海上日動火災保険
2位 サントリーグループ
3位 明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)
だったが、4位に伊藤忠商事、5位には三井物産が入った。
以下、森ビル、三菱東京UFJ銀行、損害保険ジャパン日本興亜、三菱商事、森永製菓がトップ10入りした。
なぜ、こんなにも総合商社が人気なのか、ツイッターの声をみると、
「まぁ参加する以上いい企業入りたい。絶対、大手商社」
「5大商社に入りたいよ!!」
「総合商社に入りたい人生だった... おま、俺、物産やぞ!? って言いたい人生だった... 」
などと、強い憧れをもっている人が多いようだ。
「採用人数は微増」 狭き門に変わりはない
その一方で、ツイッターやインターネットの掲示板などには、
「就活生なんだけど商社が未だになんなのかよく分かってない」
「ほとんどの学生は総合商社に入りたいから志望動機練る。そらテキトーになる」
といった、違和感をもつ人もいるようだ。
また、「人気がある」ということは「倍率も高い」わけで、
「それでも商社に入りたい就活生へ。面接は就活生が思ってる以上に運の要素が強い。たいがい面接官ごとに1日で合格させる人数の目安が指示されている。その日に面接した学生の中で相対評価して合格者を決めるから、パッとしない学生郡の中に入れればラッキー」
「大学の4年間一切勉強せずにナンパばっかして就活で大ウケして商社受かりまくった人がいるんですけど、やっぱそれは徹底的にナンパという1つのことを極めたからだと思うんですよね。そのくらい徹底的にやらないといけないんじゃないかと」
「受験の偏差値と同じノリで就職偏差値高や人気企業を攻略しようとしてはいけません!!と、アラサーの私は思います」
といった具体的なアドバイスも寄せられていた。
総合商社の人気について、就活に詳しい大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、「とにかく売り手市場であることに尽きますね。敷居が高いので、就職氷河期であれば、ハナからあきらめている人がいて、ランキングも下がります。今年は例年以上に人気で、『自分でも入れるであろう』『入れるのであれば入りたい』と思っている学生が山のようにいるわけです」と話す。
その一方で、「じつは商社側も、いろいろな人材を求めているんです」と、企業側の事情もあるという。
ある大手商社では、入社を希望する学生で社内にOB・OGがいない大学の場合、若手社員がランチを共にして接点をもったり、相談に応じたりしている。石渡氏は、こうした取り組みが「結果的に人気を押し上げている」とみている。
とはいえ、「採用人数は微増くらいですね」と、狭き門であることは確かなようだ。