6月の選考解禁日まで1か月を切り、就活生たちは準備に余念がないだろう。
厚生労働省と文部科学省の就職内定状況調査によると、2017年3月の卒業予定者の就職内定率(2017年2月1日時点)は大学が90.6%、短期大学は88.5%、高等専門学校は99.6%だった。「売り手市場」が続いているため、2017年度も順調に決まっていくと思われるが、とはいえ、必ずしも希望する企業かどうかは、わからないようだ。
母親に苦戦
そんな就職活動にヤキモキ、イライラしている学生たちに、じつはストレスを増幅させる存在がいた。しかも身近に、だ。Q&Aサイト「教えて!goo」には、就活だけでなく、母親に対しても「苦戦」しているという女子学生からの悩みが寄せられた。
投稿によると、女子学生が一次選考を通過すると、母親は「一次選考なんて、誰でも通ってるんじゃないの? 」と言い、選考を落ちたら落ちたで、「落ちてもめげないの!」と叱咤激励する。さらに職種についても、「営業なんてやめなさいよ」「事務だってお給料上がるわよ」などと口を出す。
挙げ句の果てには、かつて自分が勤めていた会社をほめちぎり、「あの会社は素晴らしい、○○社にしなさい」と、ゴリ押ししてくるのだという。
こんな母親を、女子学生は「うざい」と切って捨てる。
「私だって営業はしたくないです。でも文系で営業を嫌がっていたら、仕事がなくなります」
「そもそも昔と今と景気も違うし、高卒で事務をしていた母親と、大卒の私が求められる水準も職種もまるで違う。なんで親ってこんなにピントがずれてるのですか? 」
「そんなに昔の女性は生きるのが楽だったのですか?」
と怒りを爆発させた。
この女子学生の質問に、
「私も就活中は親の小言が毎日うるさかったです」
「世代が違うんですよ。上手にスルーしてください。古代エジプト期に書かれた文章にも『今の若い奴ときたら』という文言があるそうですから」
と、なだめる声が少なくなかった。
親の3大NG 「過保護」「過干渉」「無関心」
寄せられた声の中には、「あなたのお母さまと同年代ぐらい」という女性から、
「お母さまは雇用機会均等法以前に就職された方でしょうか。当時は30歳までの寿退社がほぼ義務づけられていました。たった数年働くだけの職場なんて、それほど吟味する必要はありませんよね。だから『就職は楽』だったでしょうし、ピントがずれているのも、そういう理由からです。でも、もう少しで親元から自立できるのですから、耐えてくださいね」
といった励ましもあった。
とはいえ、女子学生のイライラは続く。
「男女均等なんていっても、女性はまだまだ子育て後に働くのが難しいです。男のような体力で、男のようにガツガツ働かないと一人前とされないのですよ?」
「結婚相手のお給料が多いなら大丈夫ですけど、薄給だったら生活にも苦労します」
と憤懣やるかたない様子。
たしかに、親自身の就活体験と比べられても当時と状況が違うし、また親が自分のことを心配して口を出していることがわかるだけに反論しづらいという女子学生の気持ちは想像できる。それだけに、やり場のない怒りだけがフツフツと湧いてくるだろう。
ちなみに、「この母親の気持ちが分かる」という人の多くは、「過干渉すぎるかもしれない」などと指摘していた。就職情報サイト「あさがくナビ」によると、「就活における親の3大NG」は「過保護」「過干渉」「無関心」だという。
心当たりがある親は、子どものためにも早めに改善したほうがいいだろうが、その距離感はなかなか微妙で難しそうだ。