その15 電柱の上にある変圧器 【こんなものいらない!?】

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   今回はまず写真を見ていただきたい。東京都内の住宅街にあった電柱と電線、そして円筒形の変圧器である。

   変圧器はどの電柱にもついているわけではないが、こんな「3点セット」は全国の至るところにある。皆さんはどうお感じになるだろうか。

  • 日本の「空」は電柱、電線、変圧器が支配している
    日本の「空」は電柱、電線、変圧器が支配している
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醜い! 電柱、電線、変圧器の「三位一体」

   電柱についている変圧器は、業界用語で「柱上変圧器」あるいは「柱上トランス」と呼ぶそうである。変圧器のほかに、箱型の「柱上開閉器」と称するものがついた電柱もあるが、これは小さいので、今回は見逃しておく。

   美意識は人によってさまざまである。同じものを、ある人が「醜い」と感じても、別の人は何とも感じないかも知れない。でも、電柱、電線、変圧器の3点セットの景観を「美しい」と思う人は少ないのではないだろうか。

   なかでも、問題は変圧器である。あんなに不格好なものが、あんなところに、なぜ、むき出しでくっついているのだろうか。もっと下のほうについていれば、まだましだが、上のほうだとなんとも不安定な感じがする。

   中国での僕の日本語の教え子で、日本に留学して来た若者も少なくない。そんな連中から「先生、日本の『空』はなんとか、なりませんか。『クモの巣』のようで見苦しいし、変圧器が落ちてきそうで怖いです。日本は先進国でしょ? 」と訴えられる。僕は恥ずかしい。

   僕が以前に住んでいた中国南方の大都市・南寧にも、電柱、電線は結構あったが、醜くは感じなかった。第一、電線そのものが目立たなかった。想像するところ、1戸あたりの電力の消費量が少ないせいだろうか、電線の本数が少なかった。

   その南寧の変圧器は、僕が見た限りでは、日本のように電柱の上のほうについているのではなく、電柱からは離れて、地上から少し高いところに、四角い箱に入れられ鎮座したりしていた。醜いとはまったく感じなかった。あるいは、どこか目につかないところにも隠してあったみたいである。

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