「入社3年目です。最近、『転職』の二文字が頭をよぎります。自分のやりたいことができると思って入った会社でしたが、毎日が同じ仕事の繰り返しで先が見えません。これって私の我儘なのでしょうか」
私が、銀行に入った時の口癖は「3日、3か月、3年」だった。3日我慢できれば、3か月勤務できる、3か月我慢できれば、3年勤務できる、そして3年我慢できれば、なんとか定年まで勤めあげることができる、という意味です。
「3日、3か月、3年」を乗り越えた先
当時は、一般的には入社したら定年まで勤めるのが「善」と思われていたんですね。結局、入社26年で辞めてしまいましたが......
とてもよく覚えているのは、やはり入社3年目の時です。当時は大阪の梅田支店に勤務していました。
面白くない仕事でしたね。女子行員にいじめられ、仕事ではミスばかり、その仕事というのは、伝票の整理や現金の勘定など、まったく知的、創造的ではない仕事ばかり。
―― ああ、うんざりだな。
あなたと同じことを思っていました。会社(銀行)って面白くないってね。
その時、転勤する先輩が(この人は後に常務まで出世します)私に「10年我慢しろ。10年たったら面白くなるから」とおっしゃったのです。
―― 10年も我慢か。
その時は、がっくりとしましたが、10年後は本部勤務になって、それなりにやりがいのある仕事ができました。10年、我慢してよかったとその時は思いましたね。
がっくりさせるようなことを言いますが、会社の仕事って面白くないものです。やりたいことなんかできません。会社はやりたくないことをやらせるから、我慢代が給料なんです。
そして、仕事はどんどん面白くなくなっていきます。