明治安田生命の「家計」に関するアンケート調査によると、2017年の夫婦のおこづかいの平均額は2万5082円で、6年ぶりに増加した16年から一転して07年の調査開始以来の最低を記録した。4月28日に発表した。
この結果に、明治安田生命のチーフエコノミスト、小玉祐一氏は「多くの企業は賃上げに慎重です。また、依然として求人が非正規雇用社員に偏っていることも影響しているかもしれません」とみている。
「理想と現実」との差は1万円超
2017年のおこづかいの平均額は、夫婦全体で2万5082円(前年から4421円減)で、男性は3万1764円(3186円減)、女性が1万8424円(5632円減)だった。夫婦全体とともに、女性の平均額も調査開始以来の最低額だった。
また、希望するおこづかい金額は、男性が4万5750円、女性で2万8670円が平均で、実際の平均額とは1万円以上の差があった。
そのため、節約を意識する人の割合も多く、全体の83.6%が「節約に気を遣っている」と回答。全体では「電気をこまめに消す」「冷暖房の温度を調整する」「外食を控える」を実践する人が5割を超えた。
男女別にみると、男性は飲み会を控え、女性はカードポイントやクーポンの利用を心がける傾向にあった。
家計の余裕については、「余裕がなくなった」が23.3%を占め、家計に「余裕ができた」と回答した人(8.0%)のおよそ3倍になった。
企業が賃上げに慎重であることと、日用品・食料品の値上げが重なり、一般生活者の景気回復の実感は薄い。ただ、「余裕ができた」と答えた人の45%が、その理由として「給料が上がったため」と答えていた。
なお、調査は2017年4月3~10日まで、20歳から70歳までの既婚男女1618人を対象にインターネットで実施した。