若者とアナタでは楽しさの基準が違う
要するに、若者は楽しくないのではなく、あなたと楽しさの基準が違うだけだということ。それでどうするかと言えば、先ほどの演出家のように若者と徹底的にぶつかって、新しい関係を構築していくしかない。
演出家は自分の芝居のイメージがある。それが絶対だと思っている。それをぶつける。若者は反応しない。楽しくも面白くもないからだ。仕方がないので言われた通りに演技はするが、心が籠っていないため、演出家は不満だ。それでもっと議論する。喧嘩腰だ。徐々に若者が自分の意見を言いだす。何が自分たちにとって興味のあることなのか。何が嬉しいのか。何に感動するのか。若者の口から出てきた言葉に演出家は驚く。それは今まで自分が気付かなかったことだからだ。
演出家は、若者の意見を取り入れ、新しい演出を試みる。すると、そうしたことだろうか。過去に演じた劇なのに、まったく新しい劇になったではないか。演出家と若者が共同でつくり上げた新しい芝居が完成したのだ。
この例なら少しは感じが分かるかな。「アドバイス」なんていう上から目線ではなく、若者と新しい何かを造り上げてみようよ。あなたも変わるから。あなたの心にも新しい襞ができるから。