中国の消費者が日本の通販サイトなどを利用する越境ECによる購入金額が、2016年に1兆円を突破した。経済産業省が2017年4月24日に発表した。
2015年から30.3%増えて、1兆366億円に到達。1998年の調査開始以降、初めて1兆円を超えた。アパレル、化粧品、家電製品、市販薬に加えて、日本産の粉ミルクや紙おむつなどのベビー用品が人気を集めている。
「爆買い」リピーターが利用
中国の消費者が、日本などの通販サイトを利用する理由として、「海外で購入し、リピート購入したい」という回答が35%あることから、「爆買い」で日本製品を購入した人が継続して利用を続けていることがうかがえる。
また、米国の消費者が日本の通販サイトなどを利用する越境ECによる購入金額は、前年比14.4%増の6156億円だった。
一方、国内のネット通販市場(BtoC)は、スマートフォン普及の後押しもあり、前年から9.9%伸びて15兆1358億円になった。なかでも、物販(BtoC)市場の規模は、前年比10.6%増の8兆43億円。このうち、スマートフォンを経由した物販取引は2兆5559億円に達し、全体に占める割合は31.9%にのぼった。
また、企業と企業(BtoB)や企業と個人間(BtoC)だけでなく、個人間(CtoC)の取引の市場も拡大。ネットオークションの2016年の市場規模を推計したところ、市場全体(BtoB、BtoC、CtoC)の1兆849億円のうち、3458億円が個人間(CtoC)取引だった。
さらに、2012年に誕生したスマートフォンを利用したフリーマーケットアプリの市場も急速に成長しており、16年度の市場規模は3052億円と、ネットオークション市場に並びつつある。