「女房子供から尊敬されません。飲んで帰ったり、休日ゴロゴロしているのがいけないのかもしれません。でも、ちゃんと仕事をしているとい自負はあります。『父さんだって頑張っているんだ』と訴えていいものでしょうか」
訴えなくても分かっていると思いますよ、お父さん!
息子との「絆」感じた一言
私は一度だけ、高校生だった息子から「親父、頑張れよ」と言われたことがある。
第一勧銀総会屋事件の最中、私は昼夜、その解決に奔走していた。そんな最中、M相談役が自殺され、私は病院に駆けつけた。その時、携帯電話の充電器を忘れたため、息子に持って来てくれるように頼んだ。
息子は、自宅から自転車を飛ばし、それを持って来てくれた。帰り際、「親父、頑張れよ」と一言。そう言ってくれたんだ。
不愛想だったが、その言葉は、今も忘れられない。
その息子も今では結婚し、孫もできたけど、私は、息子との絆はあの「親父、頑張れよ」という一つの言葉だと思っているんだ。
日々、「お父さん、ありがとう」って言うような家庭はヘンだよ。そんな家庭、あるのかな。私だって一度だけだし、妻からは言われたことはない。誕生日のプレゼントはくれるけどね......
言葉にしないでも、あなたには奥さんもお子さんも感謝されていると思う。
でも、休日にゴロゴロばかりしないで、たまに「明日は、休みだけど、どこかに行こうか」と明るく提案してみたらどうだろう。奥さんやお子さんが、「はっ」と驚くかもしれないよ。