マネックス証券が提供する外国為替証拠金(FX)取引、「FX PLUS」の新たな注文機能「オートレール」が好調だ。
その理由は、FXのストラテジー(戦略的売買システム)としてはめずらしい、「順バリ」のストラテジーだからだ。一般的で多くの「逆バリ」ストラテジーと組み合わせると「リスクヘッジ」が効いて、いい運用成果があげられるという。
知らず知らずに「逆バリ」取引
「順バリ(market follower)」とは、トレンドと同じ方向に「買い」や「売り」の注文を入れることをいう。たとえば、為替相場が上昇局面になっている場合に「買い」で取引する、もしくは相場が下降局面になっている場合に「売り」で取引する。つまり、トレンドに逆らわずに、相場の流れに自然に乗る取引方法だ。
一方、「逆バリ(contrarian)」は、トレンドと反対の方向へ「売り」や「買い」の注文を入れる。たとえば、為替相場が上昇局面になっている場合に「売り」で取引。相場が下降局面の場合に「買い」で取引するのが、「逆バリ」だ。
一般に、日本のFX投資家の多くは、円を売って外貨を購入する傾向が強いとされる。そのため、たとえば米ドル円相場が円高へと動き、円の価値が上昇すると、一気に円売り米ドル買いに走る。
「円高」に対して、非常に敏感に反応。トレンドが円高であるにもかかわらず、円を売って外貨を購入する、円安に向けて取引する「逆バリ」を知らず知らずに行っているケースは少なくない。なかでも、値ごろ感からか、「安いので買ってみよう」「高いから売ってみよう」という安易な考えから、逆バリで取引するFX初心者は多くみられる。
とはいえ、逆バリはトレンドとは反対向きに取引することから、ハイリスクな取引といえる。その半面、相場が天井や底を付けるような大きな動きになると、非常に大きな利益をもたらす。誰もがやっている典型的なFX取引でありながら、少なくとも初心者には不向きな、ハイリスク・ハイリターンの取引手法というわけだ。
そうした中で、マネックス証券が2017年1月14日に投入した「FX PLUS」の新しい注文機能「オートレール」が注目されている。
この機能は、マネックス証券の「証券総合取引口座」と「FX PLUS取引口座」の2つの口座を開設すると使えるが、3か月で利用者が800人を突破する好調ぶり。同証券は、「オートレールはシステム側でのリスク管理が徹底しており、あまり恐怖心なく気軽に自動売買を始められる点が評価されているのでは」と、分析している。
オートレール注文は、為替レートの推移にあわせた、つまり「順バリ」の取引が大きな特徴。そのうえ、FX のリスク管理に手間ひまをかけることなく相場の上昇や下落幅にあわせて自動発注を繰り返して利益確定と損切りを適切なタイミングで行う。同社が独自開発した注文機能で、特許出願中だ。
あらかじめ損失リスクがわかる
「オートレール」注文は、プロのディーラーも利用する「トレール注文」(価格の上昇や下落といった為替相場の動きを追跡して、決済注文の価格設定を自動で修正する機能)を、自動的に連続して発注できるほか、最初の注文を発注するのと同時に、トレール機能をもった決済注文が自動で設定されるので、リスクをコントロールしながら利益を狙うことができるのが特徴。つまり、やみ雲にポジション(建て玉)量を膨らませることないうえ、取引前に損失リスクが把握できるというわけだ。
自動取引なので注文が約定すれば、あとはシステムが取引してくれるので、為替相場の動向を気にしたり、パソコンの画面を見張っている必要もない。
取引では、1日に1~3回程度の損切りが出るケースもあるが、それでもトータルで利益が確保しやすいという特徴があり、FX取引の理想とされる「損少利大」が実現できる機能のようだ。取引手数料(FX PLUS)は、1万通貨未満の取引は1000 通貨あたり30 円。1万通貨以上の取引は無料。初期設定がカンタンなため、FX初心者でもすぐに利用できる。
マネックス証券は、「オートレールは、初心者でも、日常忙しい方でも、為替レートの推移にあわせたFXのリスク管理に手間暇をかけず、利大損小を狙いながら長続きするFX取引を行えるように開発したもの。オートレールで、FX取引を生活の一部として長く続けてほしいですね」と話している。