スキルを磨くために使うのもいい
なくなってもいいお金は、変動商品を買うだけが使い道ではありません。スキルを身につけるために、自分に投資することも選択の一つです。
先日、北海道に行った折、とある大学の掲示板を見ていたら「カタコトの中国語できる人急募」という薬局チェーンの求人が目に留まりました。時給は3000円。一般の学生のバイトの時給は900円程度だそうですから、3倍以上です。中国語というスキルがあれば稼げるという一つの例です。
社会人になってからも勉強しようという人が増えています。ライフネット生命の社員にも、40代で大学院に進学した女性が現在2人います。いくつになってもスキルアップを目指して勉強するというのは、世界でみれば常識です。日本も、年齢によって生き方が束縛されない「年齢フリー」の社会になりつつあります。その傾向はいっそう強まるでしょう。
何か資格を取ると仕事の上で有利になります。税理士や社会保険労務士でも、英語の検定でもいい。英語ができれば、世界で働けます。
なくなってもいいと取り分けたお金が、使い方によっては人生をさらに豊かにしてくれるかもしれないのです。(出口治明)