就活シーズンまっさかり。東京の街には、真新しいリクルートスーツに身を包んだ就活生が、緊張の面持ちで街を歩いていると思います。
そんなご時世ですが、2016年に私は「就活するイメージが沸かなかった」といって、その年1年間を留年した女性に会いました。彼女はいったい、今なにをしているのか? 話を聞いてみました。
これはイヤ、だから代わりにこれをやる!
「スーツとか、SPI(適性検査)とかついていけないと思ったんです。自分が就活に耐えうる力がないと。なので、1年間先延ばしにしてみました」
地方の某国立大学に3年通った彼女は、こう言って1年間休学を決めました。
何をやりたいのかよくわからない。でも、会社に入っても幸せになれそうにない。現代の日本の大学生の多くの人が感じていることだと思います。
とはいえ、多くの学生は、それでも「みんながやるから」という理由で就活に繰り出していきます。
しかし、彼女は違いました。
「就活して会社に入るのはイヤだけど、何か仕事をしなきゃ食っていけないということはわかっていました。だから、インターネットの仕事ならできるかなと思って、Webデザインの専門学校に通うことにしました」
ただ文句を言うだけではなく、これはイヤだから代わりにこれをやると提案し、実行できている。これは素晴らしいことです。
しかし、それがすぐにうまくいくとは限りません。
「この専門学校は、仕事をしながら通う人や、カルチャースクール的な感じで来る人が多く、専業で稼ぐために通う私にとっては物足りないものでした。」
この専業と副業の壁というのは結構大きく、これがずれるとよい結果をもたらしません。
どちらかにあわせないとどちらも不幸になってしまうのですが、世の中には「ゆるい・副業・初心者向け」の需要が多いため、どうしても本気でやる人にとっては物足りない場所が大きくなってしまうのです。
アンテナを立てて歩く
ただ、さてどうしたものかと思っていたところ、知り合いがIT技術(VR関係)のイベントをやる。
「絵とかイラストのデザインができる人を探しているということを聞きました。さっそく応募して、採用され、仕事をすることに。このイベントに参加したことが、私の進路を大きく変えてくれました」
「そこで、知り合った『個人で稼ぐ力をつけよう!』というイベントをやっていた方の話しを聞き、『これだ!』と思ったんです。すぐに改めて連絡をとり、新大阪まで追いかけていって話をうかがい、3日後には東京の彼のオフィスまで押しかけました」
この辺も彼女のすごいところで、就活という受動的な理由でやることには消極的なのですが、自分がいいと思うことにはものすごい行動力を発揮する。こういう人は、自分でビジネスをやることに向いています。
多くの学生は、文句を言いながらもいやいや流れに乗って動いていきます。なぜなら、今まで受けていた学校の教育が「イヤでも歯を食いしばってみんなと同じことをやれ」であったから。
今までは、その流れに乗っていれば、終身雇用でそれなりに守ってくれていました。しかし、2017年の今、そうやって20年くらい歯を食いしばって東芝に食らいついていた人がどうなっているか何てことを考えてみると、彼女のように疑問を感じ、それ以外の道を探し始める人も出てくるわけです。
じつは、彼女はこの後、自分でWebサイト「オリジナルペット」を立ち上げてビジネスを開始しています。そのビジネスは、自分のペットのグッズをオーダーメードで作れる店です。
彼女が、たったの3か月でここまでたどり着いた経緯は、次回に......