日産自動車は、2017年4月時点の国内における女性管理職比率が10.1%になった、と4月13日に発表した。16年度の9.1%から1.0ポイント上昇。掲げていた「2017年までに女性管理職比率10%」の目標を達成した。
日産が女性の積極的な起用を進めるのは、従業員の働きやすさ改革のためだけではなく、ビジネス戦略の一環でもあるという。
ビジネス戦略の一環でもある
日産自動車が達成した10.1%の女性管理職比率は、輸送用機器製造業の平均値1.3%(2016年)を大きく上回る。
同社は、2004年10月に多様な人材の活躍を推進する専門組織「ダイバーシティ ディベロップメント オフィス」を設立して従業員の働き方の多様化に力を入れてきた。特に、女性社員へは昇格前の能力開発やメンタリングなどの機会を充実。こうした施策が奏功して、2004年に37人だった女性管理職は279人に増加。現在は、女性従業員の約8人に1人が管理職として働いていることになる。
女性の積極的な起用に取り組む理由について、J‐CASTニュースが取材したところ、同社広報部の担当者は、カルロス・ゴーン会長が「ビジネス戦略の一環としてダイバーシティを重視していること」を挙げ、
「自動車購入の意思決定には女性が関わる場合も多く、積極的に起用することで、製品やサービスの開発にもつながります」
と話した。
働き方改革という側面だけでなく、女性ならではの視点やニーズを取り入れ、ビジネスにつなげたい狙いもあるという。
今後も女性の活躍推進のみならず、あらゆるタイプの多様化に取り組むとし、具体的な目標などは、これから発表される中期計画に則って決定する予定。