仕事は誰かに任せなさい 「自分がやらねば」は病気かも(高城幸司)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

最悪! 仕事は右から左へ受け流す

   そういう「忙しい状態の自分に酔う」タイプの人は、ホワイトスペースができると、そこに仕事で埋めたがります。それも、自分の手を動かすものばかり。仕事は、手を動かさずとも、アイデアを熟考したり、先を考えたり、情報収集をしたりなど、いろいろな中味があってしかるべきなのに、です。

   そのような性分の人は、仕事を他人に任せて、突然ぽっかりと穴が開いたように時間ができてしまうと、不安になってしまう。だから任せられない。貧乏性というか、ワーカホリックと言いましょうか(独立開業している人、起業している経営者などにもよく見かけられます)。日々、強いプレッシャーのもとで仕事をしていると、真っ黒に埋まっていないスケジュールを見るたびに、「こんなことで大丈夫なのだろうか? 」と不安になってしまうのです。

   しかも、「自分がやらなければ」という意識が強すぎて、本来は振るべき仕事を抱え込んでしまっていたりします。筆者自身にもそういう面があるので、気持ちはよくわかります。

   ただ、常にスケジュール帳のスペースが埋まっていると、より価値の高い仕事を振られたり、新たなビジネスチャンスが到来したりしても、手を挙げられないという弊害があります。そうならないためにも、仕事を抱え込まず、ホワイトスペースを常に作っておくべきではないでしょうか。

   さらに、仕事を任せられない人でもっと悩ましい人がいます。それは任せたふりして最後に「他人の手柄を横取りする」タイプ。上から降ってきた仕事をほいほい受けながら、そのまま横へ、下へと丸投げします。

   そして、その仕事が成果となると、まずは任せたこと自体を隠して「すべて自分がやりました」と報告。任せたことが隠せない場合は「すべて私が手ほどきをした」「一番難しいところは、自分がやった」とウソの申告。他人に任せないタイプよりさらに悪質です。

   このタイプは、短期的に評価されることがありますが、まっとうな組織であれば、いずれ自滅します。やはり仕事を任せたら、その人が正当に評価されるようにし、それによって自分自身もきちんと評価されるという「王道」が大切と認識しましょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
姉妹サイト