「不正」かも... 今すぐ仕事から離れなさい(江上剛)

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「会社の中でもダーティワークというか、表に出せない案件を処理する部署に回され、大きなストレスを感じています。だんだん自分の感覚がずれて行くような気がして心配です。気にし過ぎでしょうか」
  • 不正はバレる
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「商売に嘘はない」

   これは大変!

   どんな仕事をしているのかは知らないけれど、東芝みたいに不正会計に手をつけたり、オリンパスや山一證券みたいに「飛ばし」に協力したり、破たんした銀行みたいに不良債権の隠ぺいに知恵を絞ったり、旧第一勧銀みたいに総会屋への利益供与に加担したりしているわけかな。

   「ダーティワーク専門部署」っていったいどんな部署なのか? もしそんな部署が会社にあるのなら、そんな会社、早々にダメになる。

   会社の神様というべき明治の大実業家である渋沢栄一という人がいるけど、彼の著書「論語と算盤」の中によい言葉ある。

   渋沢は、「およそ商売に嘘は無い」と言う。

   そして、「あるものをないといい、ないものをあるというがごとき、純然たる嘘を吐くのは断じてよろしくない。ゆえに正直正銘の商売には機密というようなことは、まずない」「事業上の見解としては、一個人に利益ある仕事よりも、多数社会を益していくのでなければならぬ」と断言している。

   商売に「嘘」があってはいけないんだね。あなたのように表に出せない案件があることは大問題。すぐに会社内のコンプライアンス部署に駆け込むべきだし、それがダメなら監督官庁など外部に通報すべきだ。

 
江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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