その13 死後につける「戒名」 【こんなものいらない!?】

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戒名に地方相場、100万円近くかかった人も

   戒名、法名、そして宗派によっては法号と呼ばれるこの種のものは、死んでから慌ててつけると、とにかく高いものになる。

   母親を亡くした地方在住の知人女性に「戒名料はいくらでしたか」と尋ねたら、「この地方の相場ってものもありますしねえ」と、言葉を濁す。立派な戒名で、100万円に近かったらしい。寺からはあからさまには要求されないが、その地の「相場」からは逃れられないようだ。

   以下は全日本仏教会のホームページからの抜き書きである。

「高い戒名料をとられた、などという疑問や不満がお寺に対する不信感につながり、それが社会問題化しているのではないかと危惧しています」
     「なお、生前に戒名をいただくことも良いことです。その場合には、菩提寺の住職にお問い合わせください」

   全日本仏教会も戒名の不評は承知なのだ。生前に戒名をもらうようにも勧めている。ただ、それでどの程度、安くつくかは、まったく触れていない。日本の年間の死者数は130万人だから、一人当たりの戒名料が30万円なら年3900億円、50万円なら年6500億円の戒名市場である。仏教界も「死後の戒名」をできれば手放したくないのかもしれない。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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