毎月高いビールを飲んでいないか
生命保険を選ぶときに必要なことは、いろいろな保険を調べて比べてみることです。
「ややこしい」と感じるのは特約がいっぱい付いているからではないでしょうか。まず「死亡時に1000万円もらうにはいくら保険料を払うのか」「入院して1日1万円もらうには......」「がんと診断されて100万円もらうには......」など、ごくシンプルに枝葉(特約など)を取り払った保険の幹の部分について比較してみると、ある程度、値段の違いが分かるのではないかと思います。
今は、ネットでいろいろな商品を調べることができます。ですから、枝葉を取り除いた「幹」だけでも、しっかりと調べてみることをお勧めします。
たとえば、同じビールでも自分で自動販売機で買えば200円ちょっとですみますが、お居酒屋で飲めば500円くらいかかります。居酒屋で働いている人の人件費、家賃や光熱水費などが乗っているので値段が高くなるのは当たり前のことですね。生命保険も基本的には同じです。もちろん、どのような形で保険を購入するかは個人の自由ですが、大前提として、「手数料」がかかっているということを認識しておくべきだと思います。
手数料については、日本でもさまざまな金融商品について開示が広がりつつあります。きちんと調べて、納得してから商品を選ぶようにしたいものです。
前回、今回と見てきたように、保険という大きな買い物をするときには、
(1)自分にとって起こりうる重大な損失とは何か、をよく考える
(2)保険は保障機能をもつが、貯蓄機能は低金利下ではあり得ない。基本はかけ捨て
(3)いろいろな保険商品をよく調べて比較してから購入する
この3つの点をしっかりと心得ておくことが大切です。(出口治明)