化石上司の一言 「結婚して一人前」はセクハラ、パワハラだ!【江上剛】

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「上司がストレートに言います。『人間は結婚して一人前』と。独身で気楽に生きていくというのはいけないことでしょうか」

   イマドキ、そんなことを言う上司がいるんだね。化石ものだ。それはいまや女性に言えば、セクハラであり、男性に言えばパワハラってことになりかねない。

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「職場の花」はもはや死語

   昔は、よく言ったよね。この、「結婚して一人前」って言葉。今でもプロ野球選手なんかは、早く結婚して落ち着けば成績が上がるといわれる。

   この言葉は、家族を養うという責任を持つことで、夜遊びしなくなり、無駄遣いしなくなり、仕事にもさらに熱心に取り組むようになるという、結婚することで仕事における良い効果を期待しているわけだ。

   でも、この言葉はあなたの言う「人間は」ではなく「男は」っていう前提条件付きだから、現在のように男女同権の時代には相応しくないね。

   この言葉が広く使われていた頃、女性は結婚退職が一般的で、「早く結婚して、退職したら」とか、「職場の花」とか言われ、なかなか結婚しない女性社員は「姥桜」「お局」と、平気で言われた時代だからね。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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