今の映画館はやり方がずるい
ところが、最近は「何時何分から」とだけしか書いていない。その時刻に着席すれば、予告編やCMも見なきゃならない。いつ本編が始まるのか、客には分からない。前もって映画館に電話するか、窓口で尋ねるかすれば、教えてはくれるが面倒くさい。今の映画館はやり方がずるいのである。
僕はCMやお説教は嫌だけど、何も予告編まで完全否定しているわけではない。1本か2本なら、見てもいい。少し遅れて入ってくる客がいたりして、客席がまだざわついている間は、予告編を流すのがいいという説もある。
東京・池袋に「新文芸座」という映画館があって、もっぱら古い映画をやっている。有名な映画監督や俳優が亡くなったりしたら、その監督や俳優の特集を組んでくれる。
この新文芸座の入り口の上映時間表には「予告 何時何分から」「本編 何時何分から」とあり、予告編の時間をはっきりと書いている。しかも、予告編の時間は5分間と短いし、2本立ての1本目と2本目の間には予告編がない。本当に映画が好きな人のやり方である。
ほかの映画館にもこの程度の「節度」を持ってほしいのである。