その12 映画館の予告編とCM 【こんなものいらない!?】

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今の映画館はやり方がずるい

   ところが、最近は「何時何分から」とだけしか書いていない。その時刻に着席すれば、予告編やCMも見なきゃならない。いつ本編が始まるのか、客には分からない。前もって映画館に電話するか、窓口で尋ねるかすれば、教えてはくれるが面倒くさい。今の映画館はやり方がずるいのである。

   僕はCMやお説教は嫌だけど、何も予告編まで完全否定しているわけではない。1本か2本なら、見てもいい。少し遅れて入ってくる客がいたりして、客席がまだざわついている間は、予告編を流すのがいいという説もある。

   東京・池袋に「新文芸座」という映画館があって、もっぱら古い映画をやっている。有名な映画監督や俳優が亡くなったりしたら、その監督や俳優の特集を組んでくれる。

   この新文芸座の入り口の上映時間表には「予告 何時何分から」「本編 何時何分から」とあり、予告編の時間をはっきりと書いている。しかも、予告編の時間は5分間と短いし、2本立ての1本目と2本目の間には予告編がない。本当に映画が好きな人のやり方である。

   ほかの映画館にもこの程度の「節度」を持ってほしいのである。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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