医療費抑制で「逆風」の製薬会社 いまならアステラス株が買いやすい

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武田製薬を買いたくないワケ

    さらに、アステラス製薬は新薬の開発において、アルツハイマー型認知症に伴う焦燥性興奮を対象とした分野と尿路上皮癌を対象とした分野で、それぞれ米国での試験を開始。SMBC日興証券の「業績フラッシュ」(2017年1月31日付)は、「買収を完了した独Ganymed社の胃食道がん治療薬が良好な試験成績をもって迅速承認できるかが今後の焦点」との見方を示している。買収企業がもつ新薬が、承認されるかどうかが焦点ということらしい。

   遡って、2月1日の東京株式市場は、米トランプ大統領の日本円と中国・人民元の為替操作発言と、米国で製薬会社に薬価引き下げ指示で、為替が円高に振れたことを反映して、安値スタートの雰囲気。そこで株価下落を見込み、市場が開く前に、アステラス株を1480円(前日終値1513円50銭、それより33円50銭安)で100株、指値買いを入れることができた。前回の売買価格(取得1700円、売却1900円)をもとに、アステラス株がこの価格なら、申し分ないと判断した。

   トランプ大統領が公約に掲げた医療保険改革法(オバマケア)の代替法案が、3月24日撤回に追い込まれたことを契機に、トランプ氏の政策実行力への不安からニューヨーク株式市場は調整色を強めている。その影響は、東京市場も及んでいる。

   日米株式市場に不透明感が漂うなか、ディフェンシブ銘柄で企業業績も比較的安定していて、購入価格も15~16万円程度の銘柄は、個人投資家にとって比較的手を出しやすいと考えている。

   アステラス株は、2016年4月7日に1350円の安値をつけている。今回の取得価格1480円を下回ることがあれば、ナンピン買いをして株数を増やそうかとも考えている。

   ちなみに、武田薬品株は1株5267円(2017年3月28日終値)。正直、こんなに高くては「庶民株主」には手が出せない。武田製薬株を100株買うくらいなら、他の銘柄を買って、分散投資に努めたいと思うからだ。「所詮、個人投資家なんて相手にしませんよ」といった上から目線が気にいらない。(石井治彦)

アステラス製薬株
2017/3/29現在 保有100株 平均取得単価1498円90銭
昨年来高値 2016/08/01  1779円00銭
昨年来安値 2016/04/07   1358円00銭
直近 終値 2017/03/29  1505円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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