人は「不安」から逃れられない 没頭できることをやってみよう!(江上剛)

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日々是好日、一瞬、一瞬の積み重ね

   それが人間をここまで発展させてきた。終末へ焦りや不安を解消するために「神」なんてモノを想像してしまったくらいだからね。それにすがって焦りや不安を無くそうとした。だけど無理だよね。無理なことは分かっていてもどうしようもない。それが人間という存在。

   あなたは40歳をいくつか過ぎたから焦り、すなわち不安を感じているのではなく、人間だから不安を感じてるんだよ。

   不安を無くすことはできない。宗教に頼っても無理。だけど、老後のための資金を貯める(これもいくらあっても安心ということがないから、自分で決める必要がある)とか、健康維持のために運動する(これもやりすぎると不健康になる)とか、いくつかの具体策を考えておいたほうがいいね。

   そのほかには、自分の趣味を持ち、没頭することだね。これは坐禅と同じで、人間の想像力を、一つのことに集中させて、一時的でも不安を解消する手段だ。一に帰る、一瞬、一瞬を生きる。それが禅の神髄だけど、一瞬、一瞬の積み重ねが永遠になると考えるしかない。あなたの質問、とても深くて答えが無い。それだけは言えるね。

   日々是好日。グッドラック!

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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