浮いたカネでホームドアを!
ところで、鉄パイプなどの立派な網棚を作ると、電車1両につきどのくらいおカネが掛かるのだろうか。素人が推測しても、100万円やそこらでは済むまい。仮に100万円だとしても、10両連結の電車だと1000万円である。
まあ、長距離を走る新幹線などには必要かも知れないが、走る距離が短いJRの山手線や大阪の環状線、それに地下鉄や郊外電車なんかには、網棚なんて、なくてもいい。網棚に荷物を載せて、ほっとする人もいるだろう。だけど、網棚はしょせん一種のぜいたく品である。
ついては、そのカネをほかに回したほうがいい。言い換えれば、費用対効果である。網棚にはそれにかかる費用ほどの効果がない。
では、浮いたカネを何に使うか。いろいろとあるだろうけど、僕なら、いわゆる「ホームドア」の建設に、それを使ってほしい。日本でも近年、ホームドアはかなり普及してきたが、まだまだである。僕なんか、ホームドア設置が遅れている郊外電車を利用しているので、ヒヤヒヤすることが多い。その恐怖心がなくなるなら、網棚なんてなくても、いくらでも我慢できる。(岩城元)