その11 「電車の網棚」 【こんなものいらない!?】

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浮いたカネでホームドアを!

   ところで、鉄パイプなどの立派な網棚を作ると、電車1両につきどのくらいおカネが掛かるのだろうか。素人が推測しても、100万円やそこらでは済むまい。仮に100万円だとしても、10両連結の電車だと1000万円である。

   まあ、長距離を走る新幹線などには必要かも知れないが、走る距離が短いJRの山手線や大阪の環状線、それに地下鉄や郊外電車なんかには、網棚なんて、なくてもいい。網棚に荷物を載せて、ほっとする人もいるだろう。だけど、網棚はしょせん一種のぜいたく品である。

   ついては、そのカネをほかに回したほうがいい。言い換えれば、費用対効果である。網棚にはそれにかかる費用ほどの効果がない。

   では、浮いたカネを何に使うか。いろいろとあるだろうけど、僕なら、いわゆる「ホームドア」の建設に、それを使ってほしい。日本でも近年、ホームドアはかなり普及してきたが、まだまだである。僕なんか、ホームドア設置が遅れている郊外電車を利用しているので、ヒヤヒヤすることが多い。その恐怖心がなくなるなら、網棚なんてなくても、いくらでも我慢できる。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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