残業時間を減らし、長時間労働を是正するための「働き方改革」が、政府・財界で進められている。
会社員は定時にサッサと帰りたいもので、残業は会社や上司に強いられるもの。働き方改革は大歓迎...... と思いきや、どうやらそうでもないケースは少なくないらしい。
理由は「生活費を増やしたいから」
エンジニア向け情報サイト「fabcross for エンジニア」は、20~59歳の会社員・公務員1万145人を対象に「残業」に関するアンケート調査を実施(2017年3月2日公表)。残業時間に応じてグループ分けし、残業に対する考え方の違いを分析した。
それによると、「平均的な1カ月の残業時間」は、21.3%が「残業時間ゼロ」と回答。57.2%が「1~10時間」、15.6%が「11~20時間」、9.6%が「21~30時間」と、82.4%が30時間以内と答えた。「平均的な残業時間」の中央値は10時間だった。
1か月に45時間以上(残業時間の上限)残業していると答えた人は1107人で10.9%を占めた。また、100時間以上も209人(2.1%)いた。
「理想的な残業時間」はどれくらいかとの問いには、「残業ゼロ」と答えた人が31.8%。33.7%が「1~10時間」と回答。93.8%が「30時間以内」に収めたいと答えた。
分析では、現在の1か月の平均的な残業時間から、6.5時間減らせば理想的な残業時間になると算出。有効回答者のうち2278人(22.7%)は、「平均的な残業時間」よりも「理想的な残業時間」のほうが多く、「もっと残業を増やしたい」と望んでいることになるとしている。特に、残業ゼロの有効回答者に限ると、29.6%で「理想的な残業時間」が「平均的な残業時間」を上回った。
一方、「自分の勤めている企業・団体で残業を減らすのは無理だと思う」という考えに賛成したのは45.9%。20.5%が反対の立場をとった。
残業する主な要因は、「残業費をもらって生活費を増やしたいから」が34.6%で最多。「担当業務でより多くの成果を出したいから」(29.2%)、「上司からの指示」(28.9%)、「自分の能力不足によるもの」(28.9%)と続いた。