デキる社員の「メッキが剥がれた」 そう思われないためには?(高城幸司)

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ある大手飲食チェーンの場合

   飲食業界を例にとって考えてみましょう。ある大手飲食チェーンでは、お客様に提供する商品・食材に関して、本社に発注した食材の在庫を余らせることなく、すべての商品を売り切る店長が「優秀」と高い評価を得ていました。

   在庫を余らせ、賞味期限を切らせてしまったり、腐らせたりして無駄にすることが、店長として一番「やってはいけないこと」とされていたのです。こうなると、無駄な在庫を出さないために、お客様からオーダーされたものであっても、在庫がなければ「すみません、品切れなのです」と言って、新たに発注しない。意図的に在庫をつくらない仕事ぶりこそ正論と考えます。

   ところが、時代が変化して飲食業界では「お客様の満足度」を大いに重視するようになってきました。そんなときに、在庫管理のノウハウこそ重要と考え、それに固執する店長がいたとしたら、現在は高い評価を得られない可能性が高いのでしょう。時代が求める仕事ぶりに追いついていないわけです。

   こうした、残念な状態に陥ることなく、高い評価を得続ける状態になるような仕事ぶりであってほしいのです。

   職場で●●の専門家、あるいは精通した人材と「レッテル」が貼られている人も根拠となる知識や経験は、時代と共に陳腐化していきます。そして、ついには「メッキが剥がれた」と、周囲から評価されることになります。

   まさにFさんのこと。周りから

「この人の仕事ぶりは古いね」
「最新の情報じゃないよね」

と思われた瞬間に終わっている人になってしまうのです。

   そうならないためにも、自分が評価されている仕事ぶりの分野に関して知識や経験を補強することが必要です。「海外に留学経験があり英語が話せる」としても、それが10年前の話であれば、生きた英会話のフレーズを勉強して語学力をアップデート。さらに現地の最新情報をきちんと収集すべきです。あるいは、「ブランドに詳しい」という触れ込みであれば、過去に蓄えた知識だけで生き抜こうとするのではなく、最近のブランド知識も貪欲に仕入れるようにするなど――。

   そういった進取の努力を重ね、評価されている仕事ぶりのメッキが剥がれないように常に補強しておきたいものです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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