オランダはあす、2017年3月15日に4年に一度の総選挙を控えている。トランプ大統領誕生の影響から、オランダでもイスラム系移民への反対や、脱EUをマニフェストに掲げている政党も出てきており、さらにそのあとに続くフランス大統領選挙の結果をも左右すると、海外では注目を集めている。
そんな高まる緊張感とは裏腹に、オランダのあるニュース番組が総選挙をさらに盛り上げようと、期間限定の微笑ましい「ゲームアプリ」を開発した。しかも、そのアプリのアイデアは、20年ほど前の日本で一世を風靡した「あのゲーム」が元になっているという。
党首を育てる「たまごっち」
オランダで毎週日曜日夜に放送されるニュース番組「Zondag met Lubach(Sunday with Lubach、Lubachはキャスター名)」が開発し、2017年3月12日までの期間限定で配信していたゲームアプリが「Kamergotchi(かまごっち)」だ。その名前からも想像できるとおり、日本の「たまごっち」を元に作成されている。
卵を孵化させると出てくるのは、たまごっちのような愛らしいキャラクター・・・ではなく、オランダの各政党の「党首」に扮した17のキャラクター。生まれてきた党首に食事を与えたり、遊ばせたり、勉強させたりして育てていくという内容だ。
また、党首本人に関するニュースを通知する機能もある。党首本人にとって選挙戦で不利になるようなニュースがあった場合は、本人の代わりに党首キャラを慰めて応援することもできるという。
どの党首キャラが生まれるかは卵が割れてからのお楽しみ。もし生まれてきた党首キャラが自分が支持する党首ではなかった場合、「世話せず放っておけば、死んで次のキャラクターがすぐに生まれてくるよ」とニュースキャスターのLubachさんはジョークを飛ばす。
たった1日で25万人がダウンロード
2月19日にリリースされたこのアプリ、翌日20日の現地ニュースサイトの記事によると、すでに「25万人」がダウンロードし利用したという。総選挙への国民の注目度と、かまごっちが盛り上げに一役買っていることが分かる。
なお、かまごっちのウェブサイトでは、党首キャラの育成状況のランキング(総合と日次)が公開されており、優秀な成績を収めたユーザーは番組の収録現場に招待されるという。
投票率が低迷する日本も、選挙への関心を高めるためにこういった「ゆるい案」を検討してみてもよいのかもしれない。(岡徳之)