満員電車の「無言」も似ている
スーパーのほかでも、無言の光景をちょくちょく見かける。例えば、満員電車に立って乗っている。電車が駅で止まる。僕が降りる駅はまだ先だから、僕はじっと立っている。すると、後ろから押してくる人がいる。スリだろうか? いや、そうではない。この駅で降りたいから、前にいる人を押しているだけなのだ。
降りたいなら、「降ります」とか「すみません」とかひとこと言えばいいのに、何も言わない。無言で、ただひたすらに押す。人混みで肩がぶつかっても、「失礼しました」なんてことは言わない。無言の連中が目立つ。スーパーで買い物袋不要のカードを黙ってかごに入れるのと似ている。
このカードにはまだ疑問がある。買い物袋不要の客には2ポイントをつけたり、2円負けたりするのは、結構なことのように思える。しかし、それは買い物袋をつけることをそもそもの前提にしているからである。話が逆ではないのか。
資源節約を目指すなら、買い物袋をつけないことを前提にし、袋が必要な客からは2円なりを取るのが正しいやり方ではないか。現にそういうスーパーもあるし、そこには買い物袋不要のカードは置いていない。中国や台湾のスーパーやコンビニもそうである。
買い物袋不要のカードは二重の意味で「こんなものいらない!?」のである。(岩城元)