「トランプ英語」で英語に慣れよう(2)

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トランプ大統領は早口じゃない

   トランプ大統領の英語は、じつは「リスニング」にも向いています。

(2)トランプ大統領のスピーチを「リスニング」する

   ニュースでトランプ大統領のスピーチを耳にして、「あれ、俺にも分かりそうだな」と思った方もいるでしょう。実際、トランプ大統領の英語は聞き取りやすく、発音にもクセがありません。

   つい先日、ニューヨークから帰国した会社の同僚が、「ニューヨーカーなのに早口じゃない!」と驚いていたのですが、トランプ大統領はゆっくりと、スローテンポで話します。難しい言い回しを避けてシンプルな単語を繰り返す点も、「リスニング」に向いています。

   ツイッターには、時折スピーチ映像がアップされていますし、ニュース番組で目にする(耳にする)ことも多いでしょう。

   テレビやラジオでトランプ大統領の声が聞こえてきたら、「リスニング教材」だと思って集中する習慣を身につけましょう。

(3)「単語が一つでも分かればいい」と割り切る

   どんなにトランプ大統領の英語がシンプルだと言っても、いきなり意味が分かるほどではありません。特に文字数に制限があるツイッターは省略した表現が多く、簡単そうに見えますが、じつはハードルが高いのです。私もざっくりとしか理解できないことがありますが、まったく気にしません。分からない単語を辞書で調べたりもしません。

   ツイッターもスピーチも、目的は「慣れる」ことで「理解する」ことではないからです。「一つでも単語が分かればいい」くらいの感覚で続けることが大切です。

   習慣的に接するうちに自然と内容が分かるようになりますし、ニュースになる発言は、後で日本のメディアが解説をしてくれます。

   意味を理解することよりも、英語に慣れることが目的だと割り切って、毎日続けることを心がけましょう。(井津川倫子)

【今週のニュースな英語】 ~アカデミー賞の「the back‐up envelope」騒動~
   世界中の注目を集める米アカデミー賞の授賞式で、受賞作が間違えて発表されるというハプニングがありました。オスカー作品賞の発表で、受賞作の「Moonlight」ではなく「La La Land」の名前が読み上げられたのですが、スタッフが他の賞の「the back‐up envelope」(予備の封筒)を間違ってプレゼンターに渡してしまったことが原因でした。

   バックアップという単語は日本語でもよく使いますが、なるほど、封筒の「予備」を「back‐up」と言うのですね。それにしても、トラブル回避のための「the back‐up envelope」がトラブルを引き起こすとは皮肉なものです。

   ちなみにこのスタッフは、直前に舞台裏でエマ・ストーンの写真を撮ってツイッターにアップしていたことが判明。すぐに削除したのですが、「殺してやる」という脅迫状まで届いているそうです。ツイートするヒマがあったら封筒を確認すればよかったのに......

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。TOEIC(R)L&Rテストの最新スコア970点。これまで英検、TOEIC、TOEFL、IELTSをすべて受験し、GMATにも挑戦。30年近く仕事をしながら英語を学び、海外駐在員として滞在したロンドンでは、イギリス式の英語学習法も体験した。「いくつになっても英語は上達できる」をモットーに、40代での英語やり直しを提唱している。現役ビジネスパーソンならではの実践的なアドバイスが「役に立つ」と人気。
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