市場調査の矢野経済研究所が2017年3月6日発表した「2016 年 調剤薬局グループに関する調査」によると、マツモトキヨシホールディングスやアインファーマシーズ、日本調剤、クオールといった調剤薬局グループ(20店舗以上の保険薬局を保有する薬局チェーン)の数は、2016年に221 グループとなり、保有する店舗数は1万7476 店と全国の保険薬局5万7137 店の30.6%を占めた。
薬剤師の採用難、中小薬局の経営厳しく
調剤薬局221 グループの各都道府県への進出状況をみると、「1 都道府県」での保険薬局店舗展開が16.3%とトップで、次に「4都道府県」の14.0%、「3 都道府県」の13.1%の順となり、調剤薬局グループの多くが1つの県か、近隣の県やブロック単位で店舗を展開していることがわかった。
ここ数年、経営規模の拡大を図る調剤薬局グループによるM&A(企業の合併・買収) が活発化。全国の薬局に占める調剤薬局グループの保有する店舗数は引き続き増加傾向にある。
背景には、地方を中心とする人口減少や医薬分業の伸び率の鈍化、薬剤師の採用難などがあり、中小薬局を取り巻く経営環境は厳しさを増している。一部の県では薬局数が減少に転じているという。
厚生労働省が2015年10月にまとめた「患者のための薬局ビジョン」では、かかりつけ薬剤師・薬局のほか、健康相談や一般用医薬品の取り扱いなどのアドバイスといった「健康サポート機能」の強化が求められている。資金力やマンパワーで見劣りする中小薬局の生き残りはますます厳しくなりそうだ。