財務省は、2016年度の個人向け国債の発行予定額が4兆5556億円に達すると、2017年3月6日に発表した。人気が低迷していた個人向け国債だが、これはリーマン・ショック前の2007年以来、9年ぶりの高い水準となる。
預金より利回りがいい
個人向け国債の発行額が伸びた主な要因は、2016年2月に日本銀行が導入したマイナス金利政策。この影響で銀行は、定期預金の金利を年0.01%程度まで引き下げており、預金の魅力は低下した。
その一方で、国債は固定3年、固定5年、変動10年の3種とも、年0.05%の最低金利が保証されており、元本割れのリスクがない。そのため、預金者や個人投資家が、定期預金より利回りのよい個人向け国債を、有利な運用先としてみて人気を集めたようだ。