スポーツ選手にお医者さん、ケーキ屋さんや芸能人......。「子どもが将来なりたい職業」にランクインするのは、こういった顔ぶれだと思っている人は多いのではないか。
実際になれる人はひと握りでも、「少年よ、大志を抱け」という言葉もあるように、子どもが大きな夢をもつのは素晴らしいこと。ところが、最近の子どもたちはかなり現実的な将来の展望を描いているらしい。
女子では「専業主婦」がランク外から飛躍
総合人事・人材サービスのアデコ(東京・港区)が、小・中学生1000人を対象に実施した「将来就きたい仕事」に関するアンケート調査(2017年2月22日発表)によると、「あなたは、大人になったらどのような仕事をしたいですか」との問いに、男子は「会社員(サラリーマン・OL)」(14.4%)、女子は「パティシエ」(11.0%)が第1位だった。
どちらも2016年の前回調査でも1位だったが、パティシエを選んだ女子の割合は変化がなかったのに対して、会社員を選んだ男子は10.2%から3.8ポイントも増えた。
会社員は、女子のランキングでも2位にランクインしていて(9.4%、前回3位)、男女総合のランキングでも11.8%と前回に続き1位だった。
「なりたい職業」の第1位が、なんと会社員なのだ。
この結果に、ツイッターでは、
「小中学生がしたい仕事で男1位が会社員とか夢無さすぎ!!!」
「世知辛いのう...... 夢が会社員かよ......」
「会社員(正社員)になることが、もはや夢とは...... 私は一番なりたくなかったのに」
「夢のない子が増えたのか、現実的に物事を見るような子が増えたのか...」
など、あまりに現実的すぎる結果に驚きや悲しみ、嘆く声が多く寄せられている。
ちなみに、男子の2位はサッカー選手(7.4%、前回2位)。3位が医者(6.0%、前回4位)。以下、公務員(5.4%、前回3位)、野球選手(5.0%、前回4位)と続き、前回ランク外だったゲームクリエイターが6位(3.4%)、自営業・個人事業主・フリーランスが7位(3.0%)、経営者が9位(2.6%)にランクイン。
女子の3位は医者(6.4%、前回4位)。4位が公務員(5.8%、前回5位)、5位は学校や幼稚園の先生(3.6%、前回2位)で、前回ランク外の専業主婦が6位(3.0%)、自営業・個人事業主・フリーランスが8位(2.6%)だった。
他社の調査結果は...
一方、日本FP協会がまとめた、小学生の「将来なりたい職業」2016年度のランキングでは、男子の1位がサッカー選手・監督など(186票)、女子は保育士(133票)だった。
小学生『夢をかなえる』作文コンクール応募作品(応募期間2016年5月2日~10月31日、作品数は3606点)を集計した。
また、第一生命保険の「第28回『大人になったらなりたいもの』アンケート調査」(2016年7~9月、未就学児・小学生を対象にミニ作文コンクールの応募用紙で実施。サンプル数は1100点)では、男子の1位がサッカー選手(12.1%)、女子の1位が食べ物屋さん(15.5%)だった。
いずれも「会社員」「サラリーマン」「OL」はトップ10にランクインしていなかった。
調査方法や設定項目の違いで結果に差が出ているということもあるだろうが、子どもたちの「ホンネ」はいったいどちらなのだろう。(MM)